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ユーザーと企業のニーズを突き詰めて商品設計を心がける

毎週水曜日にYouTubeにて放映している「カイコクアカデミー」のインタビュー記事第11弾です。

今回は、株式会社MOTAでCMOを務められる柳澤祐太さんのインタビュー記事です。

月間700万UUを誇る「MOTA」のメディアを運営・企画しながらも、サイト全体のテクニカルSEO改善まで手がけられている柳澤さんに色々とSEOのお話を伺ってみました!

月間700万UUを誇る自動車関連メディア「MOTA」

柳澤さんの現在の業務について簡単に教えてください。

主な業務は、サイトの改善や商品の企画・開発を行っています。CMOとはいってもプレーヤーとしてテクニカルSEOやCROもガンガンやってます!!

具体的には、サイトの全体のテクニカルSEOやUXの改善、「WebCMをどう打つか」といった広告の企画から全体管理までを行っています。

株式会社MOTAとはどんな会社でしょうか。

弊社が元々オートバイテルジャパンという名前でスタートした会社で、今期で22年目になります。創業当初は、新車見積もりの仲介事業を中心に行っていましたが、今では中古車販売やクルマの買い取り・昨年はカーリース事業、さらには新車の情報メディアの運営を行っており、月間700万UUというアクセス数のあるメディアに成長しています。

比較メディアの中でも月間700万UUはを誇る「MOTA」の特徴は何がありますか。

そうですね、弊社の特徴としては、新車見積もりをディーラーに直接依頼して比較できる点にあると思っています。他の比較メディアの場合、直接メーカーのサイトに見に行って比較をするケースが多いと思いますが、弊社の場合は、自社内でユーザー体験である比較が完結できる点が強みとしてあると思います。

その他で弊社が力を入れていることは、クルマの買い取り事業になります。一般的なサイトですと、見積り依頼をした際、10件ほど連絡がきて、情報を上手く整理できないケースになってしまうことがあると思いますが、弊社の場合、見積り依頼の翌日には査定が完了して、査定結果の上位3位のみからしか連絡がこないようになっています。そういった工夫により、ユーザーの不快感を軽減し導入ハードルを下げていることも要因としてあると思っています。

「MOTA」を成長させたプロモーションとは

700万UUのメディアに成長するまでに実施したSEO施策を教えて下さい。

ここ数年取り組んできたこととして、例えば当初、中古車のサイトにおいてはURLの構造をテーマ性ごとにディレクトリを整備できていたのですが、ただパラメーターをそのままリライトしただけだったので、URL自体が長くなってしまっている状況でした。

そういった中でURLをシンプルに短くすることで、Googleのクローラーが認識しやすい構造に変えたり、検索結果ですと類似率が高くなってしまうので、明らかに必要のない部分にかに関しては思い切ってnoindexとnofollowという施策を導入することで、ここ2~3年で売り上げが3倍程になりました。

自動車というターゲット層が広いビジネスにおいて、効果の高かった媒体やプロモーションはありますか。

いろいろと取り組んできたのですが、上手くいった施策の中で面白いと思ったのは、Facebook広告のターゲティングで思わぬ相関が見つかったことですね。確かにコロナ以前においては自動車に興味を持っている方は、かなり幅広いターゲット層に分かれていたのですが、コロナ禍においてアパレルに興味を持っている方と非常に相関が強いという分析結果が出まして(笑)。まさか、、、と思いながらも、試しにアパレルにターゲティングして配信したところCVがかなり増えたというこというのは、非常に面白かった発見でした。

その他でいうと、YouTubeのTrueView広告で配信したところ、配信前と配信後において9倍近くも広告経由の売り上げが上がった事も衝撃的でしたね。

これまでのマーケティングで失敗した事例等ございますでしょうか。

車買取サービスの話になるのですが、リリース当初はユーザーがフリマ形式として車買取業者から買っていただくモデルになっていました。ですが、そのようなモデルですと、ユーザー側の買取希望金額が市場相場の10倍近く高く提示することがよくあり(笑)、車買取業者と乖離が大きくなってしまいました。その結果、車買取業者からご指摘をいただき、現在のモデルである、事前に査定してから一括買取りになる形式にさせていただきました。

柳澤さんがお考えになるマーケターの理想的なキャリアステップとは

自社のサービスや製品のSEOを担当されている方は、自らが行動をしないと情報を得ることができないと思います。なので、セミナーに参加して、いろんな人と出会いコミュニティを作ることをおすすめしますね。その中で、他社の成功事例が取り上げられると思うのですが、その施策自体がどんな意図で行われたのか、自社の状況と比較して考える癖を身につけないと、スキルとしても伸びないと思います。

「ユーザーと企業のコントローラー」

現段階で700万UU集めているサイトだと、非認知層、潜在層、顕在層の中で、どこにより注力してSEO対策してますか。

これは2種類あります。1つは、中古車の見積もりといった申し込み(CV))に対しては顕在層を目標としてSEO対策を行っている形になります。車種名や○○中古という風に完全にCV狙いのターゲットに関しては、洗い出してそこからSEO対策していくことが良いと思っています。もう1つはメディアとして広告の収益があるので、特に注力する層を決めずに全体的にアプローチしている形になります。

ユーザーの検討期間が短い中で、よりCVに近いユーザーにアプローチするために行うべき施策があれば教えてください。

これはサイトごとに違うと思いますが、弊社の場合、システムごとにディレクトリを吐き出しているページの中で、よりCVに近いページを分析して、そのページのSEOを上げていくことが良いのではないかと思います。

柳澤さんのお仕事をマーケターという言葉を使わずに再定義すると、どのような言葉になりますか?

「ユーザーと企業のコントローラー」と定義させていただきました。

ユーザーのニーズをいかに吸い上げて、どういった商品設計にしてユーザー体験を作っていくのか、その上でビジネスとして成り立たせていくのか、ということがマーケターの仕事だと思っています。

ユーザーが望むサービスを突き詰めてもビジネスとして成り立たないし、ビジネスとしての部分を突き詰めてもユーザーはついてこないので、そのバランスを調整(コントロール)していくポジションがマーケターだと思っています。スマホゲームのガチャの割合はその典型的な例ですよね。

いまうちで企画しているものですと、Googleでユーザーよく調べているニーズを自社DBにもたせて、検索しやすくする。車の一般的なサイトだと燃費やボディタイプ、車種名とかで検索させますが、生活シーン別で選べるように変更したり、かっこいいとかの形容詞で検索できるようにして、新しい体験を提案をしてあげる。

さらにはCVが悪い場合は、もう商品そのものから見直したほうが早いことも多いです。笑

本日も貴重なお時間をありがとうございました!

マーケターという職種を再定義すると…

ユーザーと企業のコントローラー

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