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顧客満足度(CS)向上が企業価値を劇的に変化させる|CSを高める具体策とは?

顧客満足度(Customer Satisfaction)とは?

顧客満足度(Customer Satisfaction)とは、各企業が提供するサービスや商品によって、顧客に満足してもらうことを目的とした概念のことです。一般的には「CS」と呼ばれています。

マーケティング活動においてのCSの役割

経営学者であるピーター・ドラッカーは「顧客は、満足を買っている」という言葉を残しており、顧客が製品やサービスを購入するのは、あくまでも満足感を得るための手段にすぎないといいます。

したがって、店舗や企業が集客を目指す際には、提供側の目線ではなく何よりも顧客目線でマーケティングをする必要があります。なので、顧客満足度はマーケティングの成功を図る一つの指標ともいえます。

また、顧客のアンケートやレビューを元に商品やサービスを企画することもあることから、顧客満足度データは企業にとって欠かせないものになっています。つまり、顧客満足度は店舗や企業の売上と密接な関係を持っているデータなのです。顧客満足度の向上=売上げアップという利益を企業にもたらすといえるでしょう。

CSを向上させる3つのメリットと施策

リピーターが増えて売上に好影響も

顧客満足度が高まると、店舗や企業のリピーターが増えていきます。

皆さんもお気に入りのお店やサービスが絶対に1つはあると思いますが、いいサービスを提供する企業や店舗は、人はやはり何回も利用したくなるのです。

リピート回数が増えた結果、1人の顧客が生涯にわたって企業にもたらす利益の額が変わるので、売上向上に影響するといえるのです。ちなみに、その利益額を「生涯顧客価値」と呼びます。英語では「Life Time Value」、略して「LTV」と称されています。

リピーターの利用頻度が高まると当然、客単価が上がりますよね。特定の店舗をひいきにしてこなかった浮遊客も固定客に変わっていくため、売上に好影響が出ます。これまではライバル社の商品も購入していた顧客が、以降自社でしか買い物をしなくなることもありえます。

<施策例>

・アンケートの活用

サービスの顧客の意見を把握するためには、アンケートの実施はまず検討すべきことでしょう。提供しているサービスの改善のためのきっかけなど、アンケートによってユーザーの意見を集めるすることで、これまで不明確だったサービス改善点や評価されているところなどがわかります。
Google フォームであれば、Googleアカウントを持っていれば簡単にアンケート作成が可能です。また、送信されたアンケート結果がそのままスプレッドシートに反映されることから、集計作業も非常に楽になるでしょう。

・CSについての社員教育

従業員の顧客志向(CSマインド)を向上させるために、社員の段階に合わせて適切な教育を行うことも効果的です。 
例えば、新入社員向けには外部の講師を呼んで初級者レベルの教育を、中堅従業員向けには実際に寄せられた顧客の声から、課題とその解決方法を考える教育を実施するなど。

・顧客への継続的なアプローチ

顧客の詳細情報を可能な限り掴み、独自のアプローチを仕掛けるのはCS向上に繋がります。
顧客の誕生日にバースデーメールを送付したり、用件がなくとも電話やメールで連絡を取り合うなど行い、自社の介在余地を探ることも大切です。

②「口コミによる新規顧客獲得の増加」

McKinsey&Company社の『A new way to measure word-of-mouth marketing』(2010)によると、「口コミは購買の意思決定に影響を与える要因のうち20~50%を占めており、特に初めて商品を購入する際や、高価なものを買うときには口コミが強く影響する傾向にある」とされています。

顧客満足度が上がることで、「良いものを周りの人に知ってほしい」というシェアしたくなる人間の心理が働き口コミが誘発されるので、顧客獲得コストを抑えて新規客を獲得することが可能です。

<施策例>

・既存顧客に感動体験を与える瞬間を作る

顧客の期待を大きく上回る瞬間を作ることは、口コミの誘発に大きく貢献します。身近な例をあげるとディズニーランド(遊園地)やリッツカールトン(ホテル)がそれに該当します。顧客に感動を与えることは、他の施策に比べ難易度が高い分、効果が大きいと言われています。

・商品・サービスの質をチェックする

一時的に新規顧客が増えても、商品やサービスの質が落ちてしまってはすぐに消費者は離れていくでしょう。
顧客満足度を意識しながら経営することで商品やサービスのクオリティは保たれ、安定した売上につながります。
常に企業や店舗が成長し続けていくには、顧客の需要に応える経営が必須なのです。

③「企業の収益性向上」

顧客満足度の向上によって既存顧客のリピート率(LTV)が高まり、コストを抑えた新規顧客獲得ができる(口コミ増加)ようになります。
その結果、企業の収益性を大きく高めることにもつながるのです。

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CSの改善は企業価値の向上に繋がる

CS向上に成功した実例

1.ソニー損保

ソニー損保では、それぞれの担当部署ごとに顧客サポートを行ってきましたが、2015 年からは本格的に顧客満足度を向上させるために、部署を横断できる仕組みとして「CX デザイン部」を創設しています。これにより顧客サポートが会社全体で最適化され、顧客満足度が向上しています。

※参考:自動車保険契約者満足度、ソニー損保がダイレクト系トップ…JDパワー

2.リッツ・カールトン

ザ・リッツ・カールトン大阪では、他ホテルとの差別化を図るために、4,000 人の応募者の中から厳選した 600 人に入念なトレーニングを実施しています。従業員一人一人がそれぞれその業務で最適なサービスを行えるようになりました。

※参考:ザ・リッツ・カールトンに学ぶ「ブランド体験」とは

3.セイコーマート

北海道を主戦場にしているセイコーマートは、大手コンビニを抑えて顧客満足度アンケート4年連続1位に輝いたこともあるグループです。

セイコーマートの特徴は、北海道民の心情に寄り添う地域密着の経営を行っている点でしょう。セイコーマートは、ライバル店が撤退するような過疎地であっても出店を続けてきました。あくまでも地元に根づく姿勢を見せることで、北海道民からの信頼を得るに至ったのです。

※参考:日本版顧客満足度指数/コンビニは、4年連続「セイコーマート」1位に

CSのこれから

1.顧客満足度は「大満足」でなければいけない

下図をご覧ください。これは、顧客満足度とリピートの可能性について相関関係を調査した結果をグラフ化したものです。

引用:Albrecht, K. & Zenke, R. (1990), ʻService America in the new economyʼ, McGrawHill, NY.(カール・アルブレヒト/ロンゼン ケ著 和田正春訳、2003. サービス・マネジメント、ダイヤモンド社。)

この結果からわかることは、「リピートを得るためには、大満足あるのみ」ということです。つまり、リピートを増やすための顧客満足向上の取り組みであるならば「そこそこの満足を目指してはダメ」ということを肝に銘じる必要があるのです。

2.顧客満足度は平均値で議論するべきではない

前述したように、リピートをいただくためには、大満足(5点)あるのみです。顧客満足度の平均値が3.2点から3.7点に上がっても、微々たる変化しか期待できないでしょう。

では、どうするべきか?

それは、やや満足(4点)と答えたお客様を特定して、そのお客様に大満足(5点)になっていただくためには何をすべきかにフォーカスして議論することです。
そうすることで、平均値を見ながら議論するよりも、はるかに効果的で具体的な取り組みができるでしょう。

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まとめ

しかしながら、CS(顧客満足)という言葉があたり前になりつつある昨今、顧客の「期待水準」はますます上がり、以前ならば満足してもらえた商品やサービスでも、「こんなものだろう」と満足感が薄れることも少なくありません。

そんな中で、自社が顧客満足を最大化させるために最適な施策は何か?

その答えが見えれば、成功に一歩近づいたと言えるのではないでしょうか。

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