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DSP広告とは?仕組みの解説や代表的なツールを紹介

国内初の広告は、1687年に三井越後屋が発行した引札(チラシのようなもの)だと言われています。
初めは紙だけだった広告が、現在ではデジタルへシフト。DSPは、そんな時代の進化とともに生まれた技術の1つです。
今回はそんなDSPの仕組みと、DSP広告サービスのをご紹介していきます。

DSPとは?

DSPとは、Demand-Side Platformの略称で、Web広告を配信したい「広告主側の広告効果を最適化・最大化するためのツール」のことです。
これまでの広告配信は、広告の枠を購入するような「枠単位で配信を行う」ものでしたが、DSPを活用することで、ターゲット毎の配信設定が可能になりました。つまり「人単位で配信を行う」ことができるようになったのです。

これにより、例えば、性別、年齢、趣味などの属性で明確なターゲット設定を行っている場合、それらのユーザーに的確に広告配信を行うことができるため、無駄な配信をせずに高い効果を見込むことができます。
DSPはターゲットの設定さえ行えば、自動で最適な広告配信を実施してくれることから、広告主の手間を大幅に減らすことができると言えるでしょう。

DSPの仕組み

DSPとは、Web広告を配信したい「広告主側の広告効果を最適化・最大化するためのツール」のことだと解説してきましたが、実際の仕組みはどのようになっているのでしょうか?

DSPはDemand-Side Platformの略であるように、需要側、つまり広告を出したいと考える広告主側に利益をもたらすためのものです。
それとは反対に、広告配信面を提供する媒体社(「Google」や「Yahoo!」など)に利益をもたらすSSP(Supply Side Platform)といわれるものと連動しています。

私たちが普段Web上で目にしている広告の多くは、いわば「無数にある候補の中から勝ち残った広告」なのです。
SSPは、ユーザーに広告を表示する機会が発生する度に、複数のDSPの中から最適な広告を自動で選び配信。
それぞれのDSPは、1配信ごとに「この表示を見ているユーザーはどんな人なのか、今他の広告と競い合う必要があるのか、競い合うならどれぐらいの費用をかけるべきか」などを瞬時に判断し、最適化してくれています。

代表的なDSP広告サービスは?

DSPを通じて配信される広告を「DSP広告」と呼びます。
ここでは実際に、DSP広告サービスを提供している主要な媒体をご紹介していきます。
DSP広告サービスは、大きく2種類に分けられます。

①自動型

このタイプのDSPでは、配信方法や目標といった事前に設定された内容と、それまでの配信結果を元に、各DSP独自のアルゴリズムに基づいて自動的に広告が最適化されます。
基本的に運用はほぼ自動で行なってくれるので、自社で運用する手間がかかりません。一方、細かな調整を誤ってしまうと、期待する効果が得られない場合もあるでしょう。

自動型の代表的なDSP

・Criteo(クリテオ)
世界中に広告を配信しているCRITEO社が提供するDSP広告サービスです。
Googleに次ぐ世界2位のネットワークの広さを持ち、日本国内利用者の92%以上が配信を閲覧することができるといわれています。

特徴:優れたダイナミックリターゲティング機能
膨大なユーザーデータを活用し、Webサイトの商品やサービスの詳細ページを訪れたことのあるユーザーに対して、履歴をもとに該当商品やサービスに関する広告を自動で生成して表示することが可能です。
これにより「サイトへの再訪問」と「購入」を促すことができるようになります。

・MicroAd BLADE(マイクロアド ブレード)
マイクロアド社が提供するDSP広告サービスです。
売上シェアは国内最大規模を誇り、配信リーチ数もクリテオと同様国内最大級といえるでしょう。

特徴:マルチデバイス対応
スマホでも、パソコンでも、タブレットでも、そのデバイスに合わせて見やすい状態で広告配信を行うことが可能。
もちろん広告主側での操作は必要なく、自動でマルチデバイスへ配信が可能となります。

②運用型

自動型に対して運用型は、文字通り自社で運用を行う必要があります。
実際に広告効果を逐一確認しながら、手動で細かく調整ができます。
自動型に比べると、運用する手間はかかりますが、効果改善のための柔軟な対応が可能になります。

運用型の代表的なDSP

・FreakOut(フリークアウト)
フリークアウト・ホールディングス社が提供するDSP広告サービスです。

特徴:ブランド効果を始めとする評価が難しい施策の数値化
直接成果に繋がった広告だけではなく、成果に至るまでの全ての接触履歴を解析して貢献度を測る分析が行えます。
また、利用者の好みにあった物品やサービスを推薦するリンク付きの画像配信など、豊富な機能を揃えていることも特徴として挙げられるでしょう。

・logicad(ロジカド)
ソネット・メディア・ネットワークス社が提供するDSP広告サービスです。

特徴:コストパフォーマンスの高さと柔軟性
初期設定費用がかからい分、低リスクで利用することができます。
シミュレーションにより複数のおすすめプランを自動で提案してくれるため、ターゲットの設定や分析が細かくできるだけでなく、サポート体制も充実していることから、配信設定の柔軟性が高いのが利点と言えます。
一方、運用者の知識や経験が成果に顕著に現れる可能性もあるでしょう。

アドネットワークとの違い

アドネットワークとDSPの違いは、「ネットワーク」か「ツール」かという点です。
アドネットワークは複数の広告配信先WEBサイトにまとめて配信することができる「ネットワーク」であるのに対し、DSPは複数のアドネットワークを一度にまとめて運用し、分析まで担える「ツール」であるといえます。

また、アドネットワークは「面」に配信、DSPは「人」に配信、と前述したようにDSPはターゲット毎の配信を可能にしました。
アドネットワークは、ネットワーク内のWEBサイトの広告枠に配信を行う機能は持ちますが、「どういった人に配信するのか?」という機能は本来持っていません(GDNやYDNなどアドネットワークでありながらDSPとしての機能を持つような特殊なケースもあります)。
一方DSPは、DMP(※1)などを仲介しユーザーデータを用いての運用を行うため、「どういった特徴の人に広告を配信するか」といったターゲティングが可能になります。

※1 DMPとは
インターネット上のさまざまな情報を管理、活用するツールのこと。詳細はこちらの記事でもご紹介しています。
【DMPとは】データ活用方法からおすすめ会社紹介まで

まとめ

アドネットワークやDSPの登場によって広告主の負担は格段に減りました。
加えて「枠単位での配信」から「人単位での配信」が実現可能になり、ターゲティング精度は今後も増していくことが予想されます。
そんな中で、どのDSP広告サービスが自社の商品・サービスに合っているかを見極める力も必要になってきています。DSP広告サービスはどの会社にも合う万能なものではありませんので、まずは「DSP広告とは何か」を理解することから始めましょう。

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