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企業のPRではなく社会に対しての語り手であること

毎週水曜日にYouTubeにて放映している「カイコクアカデミー」のインタビュー記事第三弾です。今回は、なんと海外からのご登壇でした!

PR支援を行っているみずたまラボラトリー株式会社と、長野県のスタートアップ企業のおかえり株式会社で代表取締役を務める松原佳代さんのインタビュー記事をご紹介いたします。

スタートアップならではのマーケティング

ご自身のキャリアについて教えてください

もともとは面白法人カヤックというIT企業で、PRや新規事業の開発に10年ほど携わっていました。その後、みずたまラボラトリー株式会社という、スタートアップ企業のPR戦略や広報育成支援の会社を立ち上げたり、カヤックの子会社で移住スカウトサービス「SMOUT」を企画したりしながら、自身も家族でアメリカに移住しました。

2020年12月におかえり株式会社という会社を、エストニア在住のエンジニアと長野県在住のエディターと創業し、今年(2021年)の1月から竹で作ったトイレットペーパーの定期便である「BambooRoll(バンブーロール)」というサービスをスタートしています。

竹で作ったトイレットペーパーは何が違う?

「原材料」が違います!トイレットペーパーの多くは森林や再生紙から作られているのですが、BambooRollは原材料に竹を使っています。手触りはそこまで(通常のトイレットペーパーと)変わらないと思います。

竹というのは実は草で、すごい速さで成長します。森林が10年かけて成長するところを、なんと竹は2年で大人になります。その分、二酸化炭素も吸収するので、適切に「伐採して、生やす」循環を創ることが環境に優しいということで、昨今では世間でも竹が注目されてきています。

BambooRollは、その竹で作ったトイレットペーパーを、定期便で玄関までお届けするサブスクリプションサービスになっています。

新規プロダクト「BambooRoll」のマーケティング活動とは?

2021年1月にプロダクトをリリースしているのですが、メンバーは私以外にエンジニアとエディターだけです。そのため、PR・マーケティング周り、それからカスタマーサポートやSNS運用もすべて私が行っています(笑)。

今はプロダクトをマーケットにフィットさせるために、「できることはすべてやる」という状況です。スタートアップならではのマーケティング活動をしていますね。

その日のうちに、目の前にあることをすべて行っています。

リリース直後で主に注力していることはどんなことでしょうか?

カスタマーサポートですね。お客さまと直接コミュニケーションを取れる大切な時間なので、最も思考しています。SNS運用も、コメントやメッセージを頂いたときにしっかり向き合って「1人ずつ」に答えていくというのが、立ち上げ時に特に大事なマーケティング活動だと思っているので、ここに時間と心を使っています。

何でも挑戦してきたからこそ、今がある

これまでの経験で印象深いマーケティング活動を教えて下さい。

面白法人カヤックで10年間担当していた事業推進のマーケティング活動です。

当時、カヤック のビジョンである「つくる人を増やす」というキーワードに合致する事業を担当していました。

例えば「絵描きや建築家を増やす」といった事業です。その事業を推進すること自体が「ビジョン」を実現することにもつながるような事業でした。

PRやマーケティング・広報をしている感覚は特になかったのですが、結果的にあらゆる施策に取り組んでいました。やれることは本当に何でもやりましたね。

新しいマーケティングツールや手法がどんどん出てくる時代なので、分からないときにはまず飛び込んでやってみる、使ってみるということが非常に大事だと考えています。「新しいものに対して挑戦する」を、これまでのキャリアで一貫してずっと取り組んできました。

みずたまラボラトリーでのPR・広報支援はどのようなお仕事ですか?

スタートアップの企業に入り込んで、PR・広報領域の戦略部分でのお手伝いをすることが多いです。「どのような活動をするのか」、「企業ビジョンをどういう風に作るか」といった支援がメインで、メディアのプロモートや記事掲載をすることはほとんどないです。支援企業の広報チームが自走できるように、(PRや広報メンバーの)育成サポートをしたり、毎週メンタリングしたり、といった活動をしています。

企業のビジョンやストーリーを伴走しながら考えていくイメージですね!

はい!代表の方とコミュニケーションを取ることも多いので、どのような想いで会社を創って、どういった想いで事業を行っているのか、それをどうやって伝えていくのが良いのか、そして広報のメンバーがどのよう言葉にしていくのか、まで一貫してサポートさせて頂いています。

支援企業のメンバーから、(ビジョンや会社のストーリーの)SNS等々の発信手法について相談をいただくのですが、これも私自身がまず実際に手法を試してみたり、経験をしてアドバイスをさせて頂いています。

松原氏にとってマーケティングとは?

ビジョンやストーリーを共創されている松原さんのお仕事をマーケティングという言葉を使わずに再定義すると、どのようになりますか?

“ソーシャル・ストーリーテラー”です。

面白法人カヤックのときから一貫して、「社会と繋がっていくため、より良い社会を作っていくために、社会の皆さまに向けてストーリーやメッセージをまず構築して、それを伝える」ということをこれまで意識してきました。

そのストーリーやメッセージの内容は私自身や企業が大事にしていることによって時代とともに変わっていくと思うのですが、伝え方自体は様々で、プレスリリースやSNS等で発信するのはもちろんですが、企業のビジョンを作ること、それを実現すること、プロダクトや事業を作ることがすべてストーリーテラーに繋がっていると思いますね。

貴重なお話、本日はありがとうございました!

マーケターという職種を再定義すると…

ソーシャル・ストーリーテラー