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マーケティング支援会社は なぜ「コンサルティング」から始めるべきなのか

今回は、株式会社unnameでBtoB事業部 事業部長を務められる中本さんのインタビュー記事です。
BtoBマーケティングのプロフェッショナルである中本さんについて詳しくお話を伺いましたので最後までご覧いただけますと幸いです。

unnameについて

unnameとはどのような会社でしょうか?

unnameは「マーケティング」 ×「コンサルティング」の両軸を起点に、「ブランディング構築」を含めたソリューションを提供するマーケティングカンパニーです。

中長期を見据ながらクライアントが抱えるマーケティング領域の課題を整理し、それぞれの企業の課題とフェーズと課題に合わせたマーケティング支援を行っています。

中本さんはunnameの中でどのような業務をされているのでしょうか?

主にコンサルティング部隊の責任者をしております。
クライアント企業が抱えるマーケティング課題に対して、戦略立案から実行支援までを行いながら、新規でご相談いただく企業様へのご提案を含めクライアントワーク全般の業務が中心です。

またクライアントニーズに合わせ、unnameが提供すべきマーケティングやコンサルティングに係るサービスのブラッシュアップや開発なども行っています。

業務を進める上で課題を感じることはありますか?

マーケティングに関する相談を多くいただく中で、マーケティング=プロモーション施策の一部である認識を持たれている方々が多くいらっしゃる印象を受けます。

私がマーケティングのご相談をいただく中で、大きくは2つのパターンに分かれます。

1.マーケティング戦略が存在せず、何からどう着手すれば良いかわからない
2.実施したいマーケティング施策はある程度固まっているが、目的や目標が不明

いずれのパターンも、マーケティング活動において「どのような課題を解決すべきか」「どのような目標に向かって活動すべきか」を検討しないまま施策の実行が先立つパターンが多くあると感じています。

その場合、手段が目的化し施策ごとのゴールが不明瞭になるため、全体を通してばらばらな活動になってしまいがちです。
また効果検証や振り返りの際に良し悪しの判断もしづらくなってしまいます。

このように「マーケティング=プロモーションの施策」という認識に対して課題を感じています。

マーケティングに対する考えを改める必要性

課題を解決するにはどのようにアプローチしていけば良いと思いますか?

まずは、マーケティングに対する考えを改める必要があるかと思います。

弊社では、マーケティングとコンサルティングの両面から課題解決に取り組んでおり、一つずつ実施していくことで問題解決に向けてアプローチしていきます。

まず、弊社ではマーケティングは「市場を創造するための総合的な活動」と定義しています。
それに対し、コンサルティングは「経営課題の解決に向けた活動」と定義しています。

■マーケティング

・市場の変化を敏感に捉え、顧客ニーズや顧客満足を中心に置いた「売れる(買ってもらえる)仕組み」を創る活動

・市場の構造的変化を把握し、企業の進むべき方向性を見いだし、経営戦略や事業活動に落とし込んでいく活動

・顧客が対価を払っても良いと思える価値を効率的に提供し、顧客満足を得ながら企業利益を最大化していく活動

■コンサルティング

・企業の経営課題の特定及び解決策の検討を行う活動

・企業を取巻く市場環境や内部要因を分析し、専門的な観点から提言及び実行をサポートする活動

・クライアントの抱える課題を明確化し、解決に導く活動

簡単にまとめると弊社では
コンサルティングは「自社の課題や計画に焦点を当て」
マーケティングは「市場に合わせて実行・成長させていく活動」であると考えています。

マーケティング、コンサルティングの違いについてもう少し詳しく教えていただけますか?

それでは3つの視点からマーケティング、コンサルティングそれぞれの違いについて説明していきます。

1.出発点の違い

まずは出発点の違いからご説明していきます。

コンサルティングは「自社にとって何が課題かを明確にすること」から始めることが多くあります。
何が課題かを網羅的に洗い出し、その中で重要な課題を特定し打ち手を検討します。

もちろん、相談を受ける時点で既に明確な課題が設定され、具体的なオペレーションの設計を依頼されるパターンもありますが、多くは「課題」の検討を含めての依頼が多いです。

対してマーケティングは「市場顧客(ユーザー)から出発して打ち手を検討」します。
そもそもマーケティング自体が顧客を中心とした活動なので、市場顧客と切り離した活動は不可能だと認識しておいて良いでしょう。

顧客が求めるニーズに対して、自社が持ちうるリソースを駆使してどのように活動するか、を検討します。

2.プロセスの違い

続いてプロセスの違いを見てみると、コンサルティングは「注力課題の特定に向けたプロセス」を辿ることが多いです。
大前提として実際の企業活動において、課題は上げればキリがありません。
1つ課題を解決しても、状況に応じて別の課題が発生します。

その中で、現状のリソース(人員、予算、時間等)を制約条件の中で、どの課題に注力するかを決定することはとても重要な要素です。
そして「注力課題を特定」することが、コンサルティングに期待される役割でもあります。

対してマーケティングは「特定された課題」に対して、顧客と向き合いながらマーケティング戦略を立案し、具体的な施策を検討、市場に向けてさまざまな活動を行います。
つまり、実行部分を担いながら、課題解決に向けたプロセスを辿ると言えます。

3.領域の違い

いわゆる戦略ファームと言われるマッキンゼーやボスコンなどの「トップコンサルファームが大企業の戦略部分を担当」し、「実務部分のオペレーションはBIG4と言われる大手コンサルティングファームが担当」するなど
経営レイヤーに紐づく領域を得意とするのがコンサルティングの特徴と言えるでしょう。

一方でマーケティングは事業戦略に沿った形で戦略を検討し、実際に市場に対して戦略の実行を行っていく役割を担っています。

広義の意味でマーケティングやブランディングは、企業戦略や事業戦略までをカバーするケースもありますが、ここでは強いて分けた場合に「レイヤー別に担当領域が分かれる」くらいに捉えていただけると分かりやすいかと思います。

コンサルティングとマーケティングの役割の違い

中本さんにとってコンサルティングの役割はどのようなものと考えますか?

コンサルティングの役割は主に企業活動における課題を特定し、どの課題にどのような対処をしていくかを検討し決定していくことにあると考えています。

現代においてコンサルティングが向き合う課題は多岐に渡るため、全てを整理するには難しい部分もありますが、経験を交えて無理やり整理すると主に5つのテーマ領域に大別できるかと思います。

1.企業が売上増加やコスト削減を行っていく上での大方針を決定する『戦略や計画立案』の領域

2.戦略に沿って実行する際に売上増加やコスト削減をの効果を最大化するための『業務設計』の領域

3.業務をどのような人材や組織で実行していくかを検討・決定する『組織設計や人材開発』の領域

4.決定された業務と組織を、いかにして効率化し、精度を高め、ビジネスモデルを変革していくかを検討する『データ/IT/デジタル』の領域

5.それぞれの領域で検討された方針をいかにして内部・外部の関係者にわかりやすく、独自性を持って伝えるかを検討する『クリエイティブ』の領域

それぞれが明確に切り離された状態で課題として認識されることは稀だと思いますが、皆さんがどのようなことで悩まれているか整理するための一つの指針にしていただければと思います。

それではマーケティングの役割はどのようなものとお考えでしょうか?

マーケティングの役割は、特定された課題に対して、顧客起点で市場を作り製品及び企業を成長させていくことにあると考えています。

マーケティングは経営理念や経営戦略、そして事業戦略(ブランド戦略)に紐づいた形で策定・実行されるべきものです。
一方で、一連の活動の中で企業ごとに特に向き合うべき課題が異なるため、現状のリソースを考慮した上で最も重要な課題に資源を分配し、やり抜くことが重要です。

向き合う課題について、詳細は割愛させていただきますが、主にunnameが対応している10のテーマに沿って課題の分類を述べておきたいと思います。

1.Strategy:戦略・戦術の不在
2.Market:市場構造把握の課題
3.Target:ターゲット・顧客理解の課題
4.Product:製品・サービスの課題
5.Price:価格・コストの課題
6.Place:流通・販売チャネルの課題
7.Promotion:集客・顧客開拓・営業の課題
8.People:人材・スキル・ノウハウの課題
9.Process:業務フロー・オペレーションの課題
10.Physical Evidence:デザイン・クリエイティブの課題

もちろん、上記以外にもマーケティングに関連する要素は多岐に渡りますし、マーケティングのフレームワークも常に進化しています。
あくまで自社のマーケティング活動を行う上での参考にしていただけますと幸いです。

コンサルタント思考を持って活動することが大切

最後にこのインタビューを見ていただいた方に一言ありますか?

今回はコンサルティングとマーケティングの違いについてお話させていただきましたが、その違いについて理解を深めるのは難しいとも感じています。
実際にクライアント企業さまをお手伝いしていく中で強弱をつけていく場合もあります。

一番にお伝えしたかったことは、マーケティング活動を実施していく中で、事業会社も支援会社もコンサルタント的な思考を合わせて持ちながら活動を行っていただくと良いのではないか、ということです。

とはいえ簡単なことではないかと思いますので、現在マーケティングで悩まれている企業様はお気軽にお声がけいただければと思います。

本日お話しきれなかった部分や、実際の支援事例なども交えてお話出来ればと思います。

詳細が気になる方は弊社のホームページをご覧の上、マーケティング支援サービスの概要資料をお問い合わせいただければ弊社コンサルタントが対応させていただきます。

長々とお付き合いいただきありがとうございました。

今回は貴重なお話ありがとうございました。インタビューを受けていただいたunname中本さんにはこちらからご相談可能です。

株式会社unnameは「法人向けのマーケティング支援」サービスを展開している企業です。
リード獲得だけで終わらない、BtoB企業特化のマーケティングの体制構築、戦略策定、施策実行支援などを実施していますのでBtoBマーケティングにお困りでしたらお気軽にご相談ください。

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