はじめに
本記事はカイコクを運営する株式会社BLAMが主催するウェビナー「【ECマーケティング責任者向け】SNS公式アカウント運用の最新動向と事例を公開」の内容を元に作成しております。
本セミナーはカイコクにご登録されている複業者の方にご登壇いただき、デジタルマーケティングにおける特定のテーマについてお話いただいています。よって内容については所属企業と関係ございません。
ウェビナー全編をご覧になりたい場合は以下よりアーカイブ動画がございます。
https://blam.co.jp/events/3T40gTIn3aeipeUczNRg4L
カイコクでは今回ご登壇いただいた方をはじめ、デジタルマーケティングにおける様々な領域のプロがご登録されています。サービスの詳細については以下をご確認ください。
今SNSで起こっているShort Video戦争について
Short Videoとは
直近様々なSNSでShort Video投稿ができるようになっています。TikTokはもちろん、LINEでいえば「LINE VOOM」、Instagram、Facebookでいえば「Reel」、Youtubeでいえば「Youtube Short」です。
また各SNSプラットフォームがShort Video推している状況であり、まだ日本では開始していないですが、実はアメリカやヨーロッパの方ではもう既にクリエイターに還元されるような仕組みができています。
Short Videoの機能に注目してみても、TikTokが一番わかりやすいのですが、投稿するだけで自動的に再生が回る仕組みになっています。
TikTokでは誰しもアカウントを開設して初めての投稿は必ず一定の再生数が伸び、露出の機会が与えられるようになっていると言われています。
上記の例のような露出の機会が与えられたり、投稿したクリエイターに還元する仕組みを用意するような動きもあることから、各SNSプラットフォームがShort Videoに対して注力していることが伺えます。
逆にクリエイター側の立場に立つと、各社のShort Videoは秒数として約60秒まで、画角としても基本縦型であり、概ねフォーマットが共通です。
つまり、例えばTikTokで1個Short Videoを制作したら、LINE VOOM、Instagram/Facebook Reel、YouTube Shortの5つに配信できるということです。
もちろんShort Videoの制作はクリエイティブ性が必要ですし、当てるのが難しいというところではあるのですが、1つの制作で5回のチャンスがあるという捉え方をすると、コスパが良いのではないかなと思います。
また機能的にも再生数が伸びやすいことも考慮するとPDCAが回しやすいチャンスのある環境なのではないかなと思います。
SNSプラットフォームがShort Videoに注力する背景
AppAnnie社の調査によると、アメリカやヨーロッパなどSNS先進国ではYouTubeを代表とする長尺動画系メディアよりもTikTokのような短尺動画系メディアの方が利用時間が長い傾向になっています。
まだ日本含むアジアでは長尺動画系メディアの方が強いですが、今後の流れとしてはShort videoに流れていく可能性は十分にあります。
その上で基本的に広告収入で成り立っているSNSプラットフォームにとっては、SNSへの滞在時間が上昇することで広告との接触回数が増える=結果として広告収入が増やすことを狙いたいので、ユーザーの可処分所得の多くをとっているShort Videoへ注力することは当然の流れと言えます。
もちろん異なる切り口もあるとは思うのですが、KPIツリーとして分解すると以下と考えています。
広告露出量を増やすためにはユーザーの滞在時間がキーになってくるかと思いますが、ユーザーにたくさん滞在してもらって、その滞在してる中にどれだけ広告を出せるかっていうところがもう一つの入り口になるかなと思います。
この滞在時間を増やすためにはコンテンツ消費時間を増やすか、デイリーのアクティブユーザー数(DAU)を増やすかになります。このコンテンツの消費時間を支えるのは、1人当たりが消費するコンテンツと、消費時間コンテンツに対する消費時間で決まってきます。コンテンツが増え、コンテンツで消費する人が増えれば消費時間は増えるという考え方です。
つまりSNSプラットフォームとしてはどんなコンテンツ(Short Video、静止画、長尺動画など)だろうが、結局は広告売上を増やしてくれるコンテンツが求めているという風に考えています。
その広告売上を伸ばす、いわゆる滞在時間消費時間を増やすための手段が今はShort Videoだということなんだろうと思います。
滞在時間重視の根拠となる事例
よく「Instagramで保存が多いとリーチが増える」と言われていると思います。
大前提としてSNSアカウント運用を行う上で、結局最も重要なことは「多くのユーザーに認知してもらい、商品を購入してもらう、自分のアカウントを知ってもらう」こと=リーチの最大化をKPIに置いたとした上での分析です。
では「なぜ保存が多いとリーチが増えるのか?」ということですが、ユーザー行動として保存するということは後で見返すために使うことが想定されるためです。
後で見返す=そのコンテンツを見る時間っていうのがシンプルに2倍になる、つまり滞在時間が増えるに繋がるアクションとして捉えられます。
そのため保存数の多い投稿がアルゴリズム上優遇される、ということに繋がっていると思います。
上記を裏付ける実事例として以下のデータがあります。
同一アカウントでのデータになりますが、いいねやコメントは投稿Aの方が圧倒的に多いのに対して、保存だけが多い投稿Bの方がリーチは約10倍ほど多くなっています。
他の投稿を見てみても本当に保存が多いだけでこれぐらい差が生まれています。
Short Videoの作り方
選択肢としては以下4つがあります。
- 内製化前提でのコンサルティング・外注
- お題をユーザーから募集
- SNSでの流行りに乗る
- 「型」ができているアカウントの「型」を自社に当てはめてみる
最終的には検証しながら見つけていくことになるとは思うのですが、これから取り組みを開始する場合、このクリエイティブ領域においてはノウハウがない状態で自分たちだけでPDCAを回すことは難しいため、1のコンサルティングや外注をおすすめします。
とはいえ自社で模索されたいということもあるかと思いますので、2-4の手段についての例を以下に挙げておきます。
2: https://www.tiktok.com/@sta.rikkun
戦略的にSNSに取り組むためには
まず大前提としてSNSだから何か特別なことはなく、他のデジタルマーケティング同様、商品・サービスをグロースするためにSNSを活用します。
ここでいうグロースとは「LTV(顧客生涯価値) > CAC(顧客獲得単価)の構造」であることです。
ここまでSNSの話をしてきてはいますが、そもそも最初の段階で「SNSをやるかどうか」という議論をするべきだと思っています。
より具体的な観点で言うと、「自社の商品・サービスにおいて、LTVの高いユーザーがSNSにいるのか」「SNSにおけるCACは許容内か」を考え、その上で「やるのであればどのSNSか」を検討するという流れです。
この検証のために例えば少額でSNS広告を出してみるというのも良いと思います。
個人的には「SNSは売上に繋がりづらいので、売上ではないKPIを置く」ということは逃げになってしまうと思いますし、結果としてSNS施策が長続きしない=機会損失に繋がってしまいます。
あくまで売上に対してコミットした上でリーチ最大化を図っていくべきだと思います。
後編に続く
後編はこちらからご覧いただけます。
→ SNS公式アカウント運用の最新動向と事例を公開【後編】|インフルエンサーを起用したUGC増加施策
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