「ランディングページってどういったものなの?」「ランディングページと通常ページって何が違うの?」など、このような疑問をお持ちでないでしょうか?
今回はランディングページの概要からデザイン、設計のポイント、メリット・デメリットについて解説していきたいと思います。
目次
ランディングページとは?
ランディングページ(Landing Page/LP)とは、検索結果やWeb広告などを経由して訪問者が最初にアクセスするページのことです。
広義の意味では、訪問者が最初に着地(Landing)するページはすべてランディングページとなりますが、Web広告の分野では、そのなかでもとくに購入やお問い合わせなど、訪問者のアクションを誘導することに特化した商品・サービスの紹介ページのことを指して「LP」と呼ばれています。
またLPは、縦⾧の1ページのレイアウトで構成される場合が多いため「1ページで完結したWebサイト=LP」と思われることがありますが、正しくは「訪問者が最初に着地するページ」を表しています。
ランディングページの種類
ランディングページには「狭義のランディングページ」と「広義のランディングページ」の2種類あります。
ここでは、各ランディングページの定義について解説していきます。
狭義のランディングページ
狭義のランディングページとは、訪問者のアクションを誘導することに特化した縦長のレイアウトのページのことを指します。
一般的にランディングページ(LP)というと、こちらの狭義のランディングページを意味することが多いです。
狭義のランディングページが目的としている訪問者のアクションとして、代表的なアクションが4つあります。
- ①商品の注文やお問い合わせ→直接的な売上げアップ
- ②見学会や内覧会などのイベントの予約→見込み客の発掘
- ③試供品や無料会員、無料体験版への申込み→見込み客の発掘
- ④求人募集への申込み→人材の獲得
検索結果やリスティング広告、SNSなどから流入した訪問者をダイレクトに注文やお問い合わせなどのアクションに結びつけることに特化したページが狭義のランディングページということを理解しておきましょう。
広義のランディングページ
広義のランディングページとは、ホームページのなかで訪問者が最初にアクセスして「着地」したページのことです。
トップページに最初にアクセスされた場合はトップページがランディングページになり、検索エンジンなどをとおして「会社案内」ページにダイレクトにアクセスが生じた場合は「会社案内」ページがランディングページになるということです。
狭義のランディングページと区別するために、ホームページ制作会社によって「入り口ページ」「集客ページ」とも呼ばれます。
アクセス解析ツールのGoogleアナリティクスではこちらの広い意味のほうでランディングページという言葉が使われています。
アクセス解析を進めるうえで、ホームページのランディングページを把握することはとても重要です。
ランディングページの構成・デザイン
①ランディングページの構成
一般的なランディンページの構成は、縦長のページのなかで上から下へ読み進めることを想定し、7つの要素が組み込まれていることが多いです。
- ①キャッチコピー領域
例:展示会担当の方へ!そのノベルティ、本当に成果が出ていますか?
集客元である広告の内容やキーワードとの整合性が重要です。 - ②共感領域
例:こんなお悩みはありませんか?
「受け取ってもらえない」「他社とかぶってしまう」「目新しさがない」 - ③サービス提示領域
例:〇〇社のXXXXは、このようなお悩みを解決できる新しいノベルティです! - ④中間CV領域
例:無料カタログのダウンロードはこちら!
「購入」や「お問い合わせ」など最終的なCVよりもハードルの低い行動の選択肢を用意します。 - ⑤ベネフィット領域
例:XXXXは3つのメリットがあります。
ユーザーにとってわかりやすいメリットを3~5個にまとめます。 - ⑥導入実績領域
例:すでに導入いただいた方の声をご紹介します。
利用者の写真、年齢・居住地などを掲載し、信憑性を高めます。 - ⑦アクション領域
例:納期のお問い合わせ・お見積りはこちらから!サンプル請求はこちらから!
「問い合わせ」「見積もり」「サンプル請求」など行えることを具体的に示します。
フォームの入力項目は極力少なくし、離脱の原因になるため不要なリンクは設置しないようにします。
②ランディングページのデザイン
ランディングページのデザインは上記のような構成をもとに、ターゲットや訴求ポイント、流入元である広告との整合性を意識して、LPのデザインを制作していく必要があります。
- ①ファーストビュー
もっとも重要なエリアとなっていて、商品や商品から得られるベネフィットを表すメインビジュアル(写真)とともに、大きな文字・短くわかりやすい言葉でユーザーのニーズの核をつくキャッチコピーを掲載します。 - ②権威づけとなる情報
「導入実績No.1」「リピート率90%」など商品の信頼を増す数値データ、知名度の高いロゴ、メディア掲載実績などを活用します。
金色(王冠やメダルのモチーフ)などの権威を表す色合い・デザインを印象的に使うと効果的とされています。 - ③CTAボタン
「お問い合わせ」などのコンバージョンにつながるボタンです。
周囲と同化しない目立つ色合い、クリックできることがすぐにわかるデザインとします。ページが長くなる場合、コンテンツとコンテンツの間にはさむことで訪問者の離脱を防ぐ対策をうつことも重要です。
ランディングページのメリット・デメリット
メリット
- ・ページ移動による訪問者の離脱が少ない
通常のページは内部リンクを多く設置して、訪問者が他の関連ページに移動しやすくすることを求められています。
ですが、訪問者がページ間を移動する際には必ず一定以上の確率で離脱者が発生します。(約3割以上の訪問者が離脱されている)
それに対してランディングページは他のページへのリンクが少ないのでページ移動による離脱を抑制でき、通常ページよりも多くの訪問者を注文フォームやお問い合わせフォームに送りこむことが期待できます。 - ・訪問者が知りたい情報が1ページに集約されている
ランディングページ(LP)には訪問者が知りたい情報が1ページに集約されています。
ランディングページ(LP)にアクセスした訪問者は画面を縦にスクロールさせていくだけで、必要な情報を取得できます。
よって自然と商品・サービスへの理解度が高くなるので、注文やお問い合わせなどのアクションを高確率で起こることが見込まれます。 - ・デザイン性が高く訴求力が強い
ランディングページ(LP)はレイアウトに制限がないので、デザイン性が高いページを作れます。
画像や図をふんだんに利用し文字のサイズも大きいので、開いたとたんに訪問者の目に飛びこんでくるインパクトの強いページになります。
通常のページよりも訪問者に伝える訴求力が強いため、コンバージョンを獲得できる確率も高いとされています。
デメリット
- ・直帰率が高いことがある
直帰率とは、最初にアクセスしたページしか見ずに訪問者がホームページを離脱した割合のことです。
ランディングページ(LP)では注文フォームやお問い合わせフォームなどのコンバージョンに直結するページ以外のリンクを極力排しています。
よって、他の関連ページなどに訪問者が回遊できないので、直帰率が高くなってしまったり、縦に長いページになるので途中で飽きて離脱する訪問者も多くなります。 - ・SEO面で弱い部分がある
ランディングページ(LP)では訴求力を高めるために、大きな文字やインパクトのあるフォントを利用する必要があるため、文字の画像化して掲載することが多いです。
ですが、Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンのクローラー(ホームページ内の情報を読みとるプログラム)は、画像の内容を読みとることができません。
よって、ランディングページ(LP)は情報量が少ないページだと検索エンジンに判断される危険性があります。
ランディングページの効果的な利用方法
①通常ページからランディングページ(LP)へ誘導することを意識する
効果的な施策としてあげられるのは、通常ページとランディングページ(LP)の連携です。
SEOに強い通常ページを訪問者の集客に特化させて、訪問者にアクションを起こさせるクローズの部分はランディングページ(LP)にすることでホームページ全体のコンバージョン獲得率をアップできます。
②スマートフォン閲覧への対応
マーケティング調査&データ分析を行なっている会社のニールセンの調べによると、スマートフォンからのインターネット利用者は、2019年4〜6月時点で7,078万人となっております。また、50~60代のスマートフォン利用率が大きく上昇し、スマートフォンがインターネットを利用する際のメインデバイスになりつつある傾向があります。
参照: https://webtan.impress.co.jp/n/2019/11/25/34642
そのため、ランディングページ(LP)がスマホ閲覧に対応していないと、非常にページが読みづらいため多くの訪問者にストレスを与えてしまいます。
結果的に多くの訪問者が途中で離脱してしまい、コンバージョンを獲得するチャンスを大きく損ないます。
ランディングページ(LP)を公開する際には、利用率が上昇傾向にあるスマートフォンの閲覧にも対応できるように意識してみましょう。
③ヒートマップを利用して改善をおこなう
ランディングページ(LP)は、手当たり次第に広告費をつぎこんで訪問者の流入量を増やせば結果が出せるとは限りません。
ランディングページ(LP)の情報の配置が不十分だったり、バナーボタンの設置などデザイン面で問題があったりすると、訪問者をいくら集めてもほとんどコンバージョンにつながらないケースも出てきます。
そのため、ランディングページ(LP)は実際の訪問者の動きや傾向を見ながら適宜改善していかなければなりません。
その際にヒートマップというツールを活用することで効率化を図ることができます。
ヒートマップとは、訪問者がどこを多くクリックしているのか等の動きが色によって読み取ることができ、訪問者の関心が特に高い部分も一目でわかります。
こちらがクリックしてもらいたいと考えている部分にあまり色がついていない場合には、改善が必要ということになります。
ヒートマップを利用して、効果的なランディングページ(LP)を育てていく施策が成果を出すうえでとても重要になってきます。
主なヒートマップツールには下記のようなものがあります。
- User Heat:https://userheat.com/
- Ptengine:https://www.ptengine.jp
- MIERUCA HEAT MAP:https://mieru-ca.com/heatmap/
④改善のタイミング
ランディングページは1度制作し、公開したら終わりではありません。
テストや施策を繰り返し、より効果を上げられる構成や表現を改善していかなければなりません。
一般的に改善のタイミングは、分析可能なデータがたまる一定期間をあけてから行うことがポイントです。
目安としては少なくとも1,000~3,000セッション前後の流入数があることが分析の条件となります。
まとめ
効果的なランディンページを配信するにあたり、Web上には非常にたくさんのランディングページがあり、傾向やテクニックを学ぶことが可能です。
ただし一番重要なポイントは、ユーザー視点に立って改善・改良を続けることです。
手間も時間もかかりますが、自社のターゲット像や商品・サービスの訴求ポイントをしっかり分析し、効果的なランディングページの制作を目指していきましょう。