毎週水曜日にYouTubeにて放映している「カイコクアカデミー」のインタビュー記事の第五弾です。
今回は、PayPay株式会社で主にマーケティングを担当している宇都宮正騎さんの記事です。記憶に新しい”あの”100億円キャンペーンについて、色々聞いてみました!
PayPayと「キャンペーン」
ご自身のキャリアについて教えてください。
出版社の編集などを経て、2002年に当時ベンチャー企業だったオーバーチュア株式会社という会社に入社し、「検索連動型広告」の立ち上げに携わりました。
その後、2008年の吸収合併により転籍という形でヤフーに入社し、そこでディスプレイ広告の商品企画や販売推進などを行い、2014年頃から「Yahoo!コンテンツディスカバリー」のサービス責任者としてコンテンツマーケティング事業の責任者も担当しました。
そして、2018年9月からPayPay株式会社でマーケティング領域に携わり、現在はキャンペーン企画のマネージャーとしてキャンペーン全体の企画や推進を行っています。
そこで宇都宮さんはどのような仕事をされているのですか?
直近では「超PayPay祭」もやっていたりしたので、PayPayはキャンペーンのイメージは強いかもしれません。
私自身は、ユーザーに告知していく段階からキャンペーンが終了するまでの設計をすべて担当しています。
キャンペーンにも様々な種類があるのですが、例えばPayPayだけでなくヤフーなどグループ企業と一緒にやっていくキャンペーンや、加盟店と一緒に展開するキャンペーン、最近では自治体と組んで行うキャンペーンもあります。それぞれの意図を汲んだ形で効果を最大化するためにはどういうキャンペーンの設計にしていくか考えたり、実際のキャンペーンの進行管理も担当しています。
100億円キャンペーンがあったからこそ、今のPayPayがある
これまで事例がなかった100億円規模のキャンペーンはユーザーにも強いインパクトを与えたと思います。どういう背景があったのですか?
もともと、何かキャンペーンをやっていこうというのは会社としてありました。当時、先発で決済サービスはいくつもリリースされていて、PayPayはかなり後発でした。
ご存知の通り、当時PayPayの認知度を上げるためにTVCMもウェブ広告もたくさん出していました。それらのアプローチもしていたのですが、2018年12月に実施した「100億円あげちゃうキャンペーン」はそういった広告費用をユーザーの還元費用に充ててしまうというところがすごい斬新です。しかも、思い切りがよくて(笑)。
実際にはこの「100億円あげちゃうキャンペーン」の後にもう一弾やっています。
その中で、特に認知度についてはデイリーで右肩上がりでした。2018年12月に実施したキャンペーンは、開催期間が結果10日間と短くなってしまったものの、これまでにない体験ができました。
実際使って頂いたユーザーの中には、感動の声もありましたし、その「口コミ」が広がっていくという一連の流れで、話題性に繋がり認知も更に広がっていきました。
そこで結果が出たからこそ、今のPayPayがある。というのは、間違いなくありますね。
100億円規模のキャンペーンではどんな指標を見ていましたか?
はじまったばかりのサービスなので、やはり一番は「PayPayの認知度」に注目していました。それから、当然、利用して頂いているユーザー数やダウンロード数、決済した利用者数なども重要視していました。
200億円(キャンペーン2回分)もの予算を回収するシナリオとスパンについては、ある程度見通しは立っていたのですか?
(言える範囲は限られますが笑)名前を認知して終わりではない事業ですので、決済事業だけでなくスーパーアプリ化を通じてマネタイズを計画し、他の事業ドメインへのポジティブな影響を与えていくことも考えています。
例えばPayPayモールを始めコマース領域などはPayPayアプリ上からでも使えるようになっていますし、ソフトバンク、ヤフーを含むグループ企業との事業シナジーはすでに出始めています。その集大成の一つが、3月に行った「超PayPay祭」というところもありますね。
キャッシュレス決済の楽しさを伝えていきたい
宇都宮さんのお仕事をマーケティングという言葉を使わずに再定義すると、どのようになりますか?
“決済コミュニケーター”ですね。ここでのコミュニケーターは伝達していく人という意味です。みなさんに身近な存在として、キャッシュレス決済の楽しさというのを伝えていきたい。その軸の一つにキャンペーンというものがあるのですが、キャンペーンを通してだけではなく、キャッシュレス決済自体の魅力をお伝えしていきたいです。
PayPayの登録者数は約4,000万人、加盟店数は328万箇所(2021年6月時点)にまで増加しています。
PayPayを使うことで、決済自体を純粋に楽しんで欲しいと思っていて、そのための一つにキャンペーンがあります!
「便利で楽しいこと」が、使い続けることに繋がると思っていて、それをみなさんに伝えていきたいです。
なかなか聞けない貴重な「100億円あげちゃうキャンペーン」の裏側のお話をありがとうございました!
貴重なお話、本日はありがとうございました!
マーケターという職種を再定義すると…
決済コミュニケーター