近年は働き方改革が進み、柔軟な働き方をする人も増えてきました。
「パラレルワーク」はそういった状況の中で注目されている働き方の一つです。
比較的新しい言葉ですので、正確な意味を知らないという人も多いかもしれません。
そこで、今回は「パラレルワークとは何か」「副業との違い」を考えます。
加えて、パラレルワークに向いている人の特徴や、パラレルワークに向いているおすすめの仕事についても取り上げます。
パラレルワークとは
パラレルワークの「パラレル」には、「並行する、並列する」という意味があります。
その言葉の通り、パラレルワークは複数の仕事を並行して進める働き方を表している言葉です。
パラレルワークが注目を浴びる背景には、インターネットの普及が関係し、時間や場所に囚われずに仕事ができる環境が整ってきたことが挙げられます。
働くうえで時間的・地理的制約がなくなり、企業側もインターネットを使った柔軟な働き方を認めるようになったことで、複数の仕事を並行して行う人が増えています。
複数の仕事を行うというと「副業」という言葉を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、パラレルワークと副業はどう違うのでしょうか。
続いてパラレルワークと副業の違いについて確認していきましょう。
パラレルワーク(複業)と副業の違い
パラレルワークは、日本語では「複業」と書くことができますが、同じ読み方をする「副業」とは意味合いが異なります。
パラレルワーク(複業)は、前述でも取り上げたように「仕事を並行して進める」という意味があります。
よって、パラレルワークはどの仕事も本業の立ち位置になります。
一方、副業は本業(メイン)に対して、副次的(サブ)な業務という考え方となります。
仕事の優先度という観点で見ればパラレルワークは「並列」ですが、副業は「本業 > 複業」という考えになります。
もちろん、言葉の意味合いとしての違いだけで、「副業」も大切な業務だということを忘れてはいけません。
仕事の重みづけに対するニュアンスが異なる点が、「パラレルワーク」と「副業」の違いといえるでしょう。
パラレルワークに向いている人
人にはそれぞれ個性があり、パラレルワークにも向き不向きがあるでしょう。
基本的には、フットワークが軽く行動的な人の方がパラレルワークに向いていると言えるのではないでしょうか。
また、個人個人が置かれた環境によっても、パラレルワークが向くかどうかが左右されます。本項ではパラレルワークに向いている人の特徴や環境要因を考えます。
専門知識・スキルを持っている人
パラレルワークは、専門的な知識や他の人と差別化が図れるスキルを持っている人が向いているといえます。
依頼する企業にしても、働く側もパラレルワークでは結果を重視する傾向にあります。
高い専門性やスキルがあればパラレルワーカーにサポートしてもらいたいと考える企業は多くあります。
ゼネラリストとして仕事をしてきた人よりも、スペシャリストとして一つの分野を深掘りしてきた人の方がパラレルワークに向いている可能性は高いでしょう。
リモートワークができる環境がある
パラレルワークには、リモートワーク環境が必須といえます。
2つかそれ以上の仕事を並行して行うには、時間や場所といった制限を極力なくしたうえで働く方がより結果を出しやすいからです。
パラレルワークでは、単にリモートワークができる環境があるというだけでなく、企業側・働く側双方がリモートワークに慣れている必要があります。
対面で行う仕事と遜色ない成果を出せるよう、コミュニケーションの方法や頻度、仕事の進め方などをお互いにすり合わせていく姿勢が大切です。
パラレルワークと相性のよい仕事
働く人のパーソナリティや環境、企業側の柔軟性も重要ですが、パラレルワークと相性が良い仕事があります。
こちらではパラレルワークに向いている仕事を10個ご紹介します。
それぞれの業務内容や、身につけておきたいスキルについても取り上げます。
エンジニア
IT関係の仕事は、もともとリモートワークやパラレルワークにも向いているといわれます。
その中でもエンジニアは、行うべき業務の範囲が明確で、納期を守れば他の仕事と並行して進めることも可能です。
特にパラレルワーク向けの仕事が多い分野は、Webエンジニア・フロントエンジニア・マークアップエンジニア・サーバーエンジニアとなっています。
エンジニアは、経験がものをいう仕事です。
参画する分野やプロジェクトの数が多ければ多いほど、働き手のキャリアとして積み上げることが可能で、依頼する企業側もそのスキルを頼りにできるでしょう。
実際、パラレルワーカーと企業のマッチングを行うサービスも多く展開されています。
デザイナー
デザイナーの仕事は、時間ではなく働き手のスキルに依存するため、パラレルワークに向いているといえます。
インターネットの普及でWebサイトを公開している企業が多くなりました。
そういった背景からデザイナーやイラストレーターのニーズは高くなっています。
Webサイトのデザインに加え、イラストやロゴ、バナー作成、パンフレットを作る仕事も増えています。
Webサイトやサービスのデザインを担当する場合は、デザイン力とともに、使用頻度の高いデザインソフトの操作や、HTML・CSSなどのコーディングスキルが求められることがあります。
自身のスキルと企業の求めるスキルを照らし合わせて複業を進めると良いでしょう。
Webディレクター
Webディレクターは、Webサイトやサービスのクオリティを担保したり、スムーズな進行ができるように管理する仕事です。
Webサイトを新規で立ち上げる場合、企画、制作、検証・納品といった工程を踏みますが、それぞれの工程でクライアントの要求を把握し、意向に沿った形でプロジェクトが進んでいるか確認することが重要です。
Webサイト制作に直接携わるというよりも、要点を抑えてよいものを作り上げる能力、クライアントや制作担当者とのコミュニケーションスキルが大切で、円滑に仕事を進められるWebディレクターはパラレルワークに向いていると言えるでしょう。
マーケター
マーケターは、社会のニーズに合う商品やサービスを作り出したり、効果的な方法で商品やサービスをプロモーションする仕事です。
新しい考えや価値観を生み出すことにつながる仕事で、データ分析能力に加え、アイデアも必要です。
会社が持つビジネス課題を理解し、豊富な知見や分析力で勝負する仕事といえるでしょう。
時間ではなく、成果を求められる仕事ということもありパラレルワークに向いている仕事といえます。
広報・PR
企業を取り巻く関係者すべてに必要な情報を届ける広報・PRは、多くのチャネルを有し、豊富な人脈を持つ人が成果を出しやすい仕事です。
幅広いパイプを持つには、長い年月とともに人への投資が必要ですが、競争が激しい現代では人材教育にコストを割く余裕がない企業もあることでしょう。
そのような企業は、広報・PRに精通している人材をパラレルワーカーとして招き、エッセンスを吸収する方が効果的かもしれません。
フルタイムでの仕事をイメージさせる広報・PRですが、最近ではパラレルワークを柔軟に受け入れパラレルワーカーを起用している企業も増えています。
営業代行
インターネットの普及で仕事のやり方が大きく変わった職種の一つが、営業です。
デジタルを駆使する営業スタイルが、個人向け・法人向けを問わず急速に浸透しており、コミュニケーション力や人脈の幅広さがポイントを握ります。
企業が期待する営業成果を出すには、基本的なビジネススキルをマスターしていることや経験が重要で、人材の育成にはどうしても時間がかかります。
そのため、経験や能力を期待できる営業代行の仕事が増えているのです。
時間が拘束されず、成果が期待される営業代行は、パラレルワークとして定着しつつあります。
人事・採用
人事・採用は企業の中核をなす仕事とされ、正社員での仕事がメインでしたが、人材獲得の在り方や方法が変化しており、パラレルワーカーの起用も増えています。
業務内容としては、ダイレクトリクルーティングといわれるスカウトメール対応やヘッドハンティング、採用戦略や人材制度の策定などです。
年に一度の新規採用に加え、キャリアを重視した中途採用が増えていることで、人事・採用経験者のパラレルワークに期待する企業も右肩上がりで増えています。
ライター・編集
ライター・編集の仕事は、紙面やWebなどの媒体向けに文章を執筆したり、それぞれの媒体に合ったレイアウトにしたり写真を撮影することも含まれます。
執筆に関しては、自分で調査した内容を文章にするほか、取材やインタビューなどの内容をまとめる仕事もあります。
特にライターの仕事は、日ごろからブログやSNS発信をする人であれば取り組みやすいため、パラレルワークを始めるのにおすすめといえます。
自分が携わってきた業界知識や経験を活かせる執筆の仕事はもちろんのこと、健康・美容・芸能・映画・恋愛といった自分が興味を持てる分野のライティングも多くあります。
経験を積むことで、編集の仕事にトライできる可能性もあります。
講師
特定の分野のビジネススキルや専門性があり、人に教えるのが好きな人・得意な人は、講師としてパラレルワークを行うのがおすすめです。
講師やインストラクターは仕事を行うための準備が必要ですが、基本的に教えている時間が拘束時間となるため、複数の仕事を並行して行うパラレルワークに向いています。
近年は、オンラインスクールが多くなり、チャットなどを利用してアドバイザーやメンターとして活躍するパラレルワーカーが増えています。
動画編集
スマートフォンが普及し、ネットを通して情報を得る人が多くなっている現代では、動画が効果的なプロモーション方法と捉えられています。
加えて、大人も子供も楽しめるスマートフォン用ゲームも多く作成され、動画編集の仕事が急増しています。
目を引く広告やゲームを作るには、綿密な計画とともに、特殊効果を入れたCG制作やBGMの挿入が効果的です。
基本的な動画編集スキルは比較的短期間で獲得可能なため、趣味で動画撮影や編集を行っている人におすすめのパラレルワークといえます。
パラレルワークを進めるなら複業マッチングサービスがおすすめ
ここまで、パラレルワークに向いている仕事について紹介をしていきました。
しかし、実際にパラレルワークの仕事を獲得することは簡単なことではありません。
そこで、おすすめなのが複業マッチングサービスです。
複業マッチングサービスは、複業人材(パラレルワーカー)と人材を探している企業をマッチングするサービスです。
マーケターなら「カイコク」おすすめ
マーケターの複業(パラレルワーク)を探すなら「カイコク」がおすすめです。
カイコクの考える「複業」 とは 「本業がいくつもある状態」 を指しており、「副業」のような気軽さ、責任感の薄さでは達成できない成果や充実感を得られることを目指しています。
この考えをベースとし、企業と複業人材がマッチングする機会を作るのがカイコクの役割と言えるでしょう。
また、8000名以上のマーケターが登録しており、マーケターの複業マッチングサービスとしては国内最大級の規模を誇っています。
マッチング後のサポートも充実しているので、初めての複業という方にもおすすめです。
パラレルワークがおすすめの理由と企業側が取り組むべきこと
主流だった年功序列に代わり、リスキリングにより新しい分野にトライすることが働き手に求められています。
パラレルワークは働く側の負担も大きいですが、自分の長所を生かしつつ人生設計でリスク分散が図れる点では、おすすめの働き方といえます。
パラレルワークしやすいのは、専門知識やスキル、センスなどが要求される仕事です。
恩恵を受ける側の企業は、パラレルワーカーが働きやすいと感じる制度設計や労働環境を整備する必要があるでしょう。