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ブランディングのススメ 意味と気を付けたいポイントを解説

「ブランディング」という言葉を一度や二度は耳にしたことはあっても、いざ「どのような意味なのか説明してほしい」と言われると難しく感じる人も多いのではないでしょうか。

今回は、意外に知らない「ブランディング」の意味やメリットと注意点、気を付けたいポイントなどについて書いていきます。

ブランディングとは

「ブランド」「ブランディング」の意味

「ブランディング」を知る前にまず理解しておかなければならないのが「ブランド」。

「ブランド」というのは英語の”burned”(焼印を押す)というのが語源であり、ユーザーが商品やサービスに対してもつ共通のイメージのことです。商品のデザインやシンボルマーク、商標、名称、キャッチフレーズ、記号などの様々な要素が組み合わさって「ブランド」を形作っています。

その言葉から高級品を連想してしまうこともあるかと思いますが、ブランドは高級品のためだけの言葉ではありません。

たとえば、Red Bull。
1978年にオーストリアで生まれたブランドで、日本への参入も2005年と比較的歴史の浅いブランドですが、創業者のディートリッヒ・マテシッツが「レッドブルは単なる飲料ではなくエキサイティングな体験であり、スリルや冒険である」と掲げたように、この製品は数ある飲料、そしてエナジードリンクの中でも独自の地位を築くことができています。

また、激安の殿堂として知られるドン・キホーテも良い例です。
ドン・キホーテは「宝探しをするようなワクワク感、魔境感」というコンセプトのもとで店舗開発を行っています。一号店の出店が1989年と量販店においては後発にあたりますが、この他に類を見ないコンセプトに即した店づくりが独自の地位を築く一助となっています。

そして、そのような「ブランド」をユーザーに認知してもらい、市場における自社商品やサービスのポジションを明確化していくための活動が「ブランディング」です。

もちろん、飲料や食料品のようなBtoCのプロダクトに限らず、BtoBの企業でもブランディングは行われています。

ブランディングのメリットと注意点

企業にとってのメリット

ブランディングの成功、つまり「〇〇といえばあの商品」「あのマークは〇〇の会社」という認識が市場に浸透すれば、多額の費用を投入しなくても集客・販促・PR活動ができるようになります。

広告宣伝費や販促にかかるコストが削減できれば、その分を商品開発や顧客サービスの充実に投下することができます。また、ブランドが確立されれば、競合他社との価格競争からの脱却も見込むことができます。

ユーザーにとってのメリット

ブランドが確立されていることは、その商品やサービスのユーザーにもメリットがあります。

・商品を選び、購入する上でコストを減らすことができる

モノや情報があふれる現代。ユーザーが自分に合う商品を選ぶのには多大な労力が必要とされています。そこで役立つのが「ブランド」です。
ユーザーはブランドがあることで、商品選択を時間をかけず、また他社商品などに迷わされずに選ぶことができます。

・商品に対する安心感を抱き、リスク回避ができる

ブランドによる品質の保証はもちろんのこと、過去にブランドによる満足体験があれば、失敗を恐れることなく安心して商品を購入できます。

注意点

企業にとってもユーザーにとってもメリットの多いブランディングですが、これにももちろん金銭的コスト、時間的コストがかかります。
また、短期的に結果が出るものでもありません。
特に、強力な競合が既にブランドを確立してしまっている場合、それを覆すのは至難の業です。

ブランディングにコストをかけて他のコストを削るのか、ブランディングは行わずに個別の施策を展開していくのかは戦略次第です。

ブランディングを進める上で意識したいポイント

では、「ブランディング」とは具体的になにをすることなのでしょうか。

先述した通り、ブランディングとは自分たちの「持ち味」、つまり会社らしさ、お店らしさ、製品らしさは何かといったイメージを定め、その価値をターゲットである消費者に感じてもらうためのすべての活動を指します。

ブランドの名前やロゴだけでなく、製品デザイン、店頭やデジタル表現、競合との差別化戦略などとても広範な領域に渡るので、これをすればブランディングだ、と言える共通した要素があるわけではありません。
企業や商品、お店ごとに「らしさ」が違うように、ふさわしいブランディングは異なりますし、それによって取るべき戦略も異なってきます。

とはいえ、どのような商品・サービスにおいても共通でやるべきこと、気を付けたいポイントは存在します。

・自社や競合他社、ユーザーの分析を行うこと

ブランディングの工程で怠ってはいけないのが、3C分析(*1)やSWOT分析(*2)をはじめとする環境分析です。
ブランディングは競合との差別化が重要です。これを明確にするためには、自社が他社に比べ得意とするところやターゲットとするユーザーの分析が不可欠です。

※1 3C分析: 市場・ユーザー(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つを組み合わせて行う、マーケティング環境分析のフレームワークのこと。

※2 SWOT分析: 強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つを組み合わせて行う自社分析のこと。3C分析の「自社(Company)」にあたる部分を掘り下げる手段のひとつです。詳しくはこちらをご覧ください。「SWOT分析から考える戦略設計|3つのステップ

・ブランドコンセプトの明文化をすること

日本では、そのブランドのもつ使命や目的という、いわゆるブランドコンセプトが「暗黙知」として存在していることがほとんどで、ブランディングに関わる人たちの間でも個々人で受け止め方が変わってしまうこともあります。
明文化せずともブランドコンセプトが共有できている企業規模であればブランドの運用に問題はありませんが、規模が発展してくるとこのブランドコンセプトとの共有が課題となっていきます。
ブランドのスタートの段階で、何となく認識されているものをしっかり言語化し共通認識を持っておくことが大切です。

まとめ

ブランドがなくても、商品やサービスの提供は可能です。
また、競合他社やユーザーの動向など、外的要因による影響も多く、手軽にできることではありません。

しかしながらブランディングの成功は長期的に見てかなりメリットが多いものです。
価格競争を避け、自社ならではの魅力をユーザーに知ってもらうためにも、「ブランディング」を戦略のひとつとして検討してみませんか?

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