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ロクシタンのソーシャルメディア運用戦術を公開

PR・SNSマーケティングとは

PRマーケティングとはパブリックリレーション(Public Relations)の略称であり、一般的には、事業主が顧客やその他ステークホルダーと良好な関係を築くことで事業KPIに貢献するマーケティング活動のことを指します。


PRマーケティングの手法は様々ありますが、一般的には大きく「広報活動」と「コミュニティ形成」に分類することができます。

SNSマーケティングとはあくまでも「コミュニティ形成」の手段の1つとして用いられるマーケティング手法でありますが、現代では、説明するまでもなくInstagram、Facebook、Twitter、LINE、TikTok、広義ではYouTubeなど無数のSNSが普及しユーザーの利用率・利用時間が高くなっており、SNSマーケットにおける存在感、PR活動 の中でもSNSマーケティングの重要性が高まっております。

広報活動とは何をするのか

代表的なものでは各種メディアへの露出、そのための手段としてアウトバウンドの営業活動、インバウンドの取材対応、プレスリリースの発信、PR TIMESなどを活用した複数メディアへのプレス発信などがあります。

その他、書籍の出版、カンファレンスでの登壇や展示会への出展、広報ブログなど通した企業情報発信なども広報活動としてカテゴライズされます。

コミュニティ形成するには

まず、コミュニティとは共通の興味関心を持つ方々が集まるプラットフォームのことであり、そこにはロイヤルカスタマーや既存顧客だけではなく、潜在顧客、コミュニティの存在を広げてくれるエバンジェリストなどを集めます。

コミュニティに参加者を募るには、オフラインイベントの開催施や、オンラインサロンの開設、自社サイトにフォーラムを開設、SNS、YouTubeでの情報発信などの方法があります。

コミュニティ形成において重要なのは、① 運営方針・目的を明確にし、② 定常的にコミュニケーションを取り常にアクティブな状態に保つ、そして③ コミュニティへの帰属意識や参加者同士が連帯感を持つようにし、参加者がコミュニティから離れない仕組みを作ることです。

コミュニティ形成という点においてSNSの活用は②、③の手段として活用するのも有効ですし、プラットフォームそのものとしても機能します。そういった意味でも、PR活動においてSNSをうまく活用することは重要なのです。

次項からは、KAIKOKU登録ユーザーであるPR・SNSマーケターのSNS活用テクニックを紹介いたします。

【事例】エンゲージメントだけでない、新客を獲得するためのインスタグラム活用

SNS担当の命題

はじめに、本記事は下記のようなSNS担当者を対象に書いております。

1:SNSの改善案を探している方 
2:SNSの事業への影響度を示したい方

SNS運用を担当されている方、やコミュニティマネージャーの方であれば、以下のような課題を感じたことがあるのではないでしょうか?

「SNS担当として週〇回投稿すると決めて運用しているが、フォロワーが増えない。」「いいねや保存が全然されない。」「エンゲージメントしてもそれが売上に繋がっているか証明できない。」「結果、予算が増えない。」

私が担当しているアカウントでは、開設から約3年が経過し、様々な課題に直面し、そのたびに学びがありました。この記事でそれらを紹介することで読者の皆様の一助になれば幸いです。

アカウント開設時の状態

低エンゲージメント

2017年秋にインスタグラムのアカウントを開設しました。
南仏プロヴァンス産の化粧品を取り扱うロクシタンジャポンでは、本社からのクリエイティブを中心に投稿していました。
そのため、日本のお客様に対して印象に残る内容ではなかったです。
また、文章は製品訴求やプロモ情報がほとんどでした。結果として、エンゲージメントが低い状態でした。

フィード投稿の改善

季節やシチュエーションにあったクリエイティブとテキストを活用

そういった課題を解決すべく、使用シーンを想起できたり、日本ならではのイベントにあったクリエイティブを制作し始めました。
「共感画像」という名で、毎月のイベントカレンダーを確認しながら、撮影内容を決定しました。
例えば、運動会シーズンにはグラウンドに出て日焼けをするので、日焼け止めの製品を、梅雨の時期には家の中で過ごす「おこもり美容」をテーマにしたボディケアの製品を撮影しました。

ハッシュタグの活用

その頃、インスタグラムの特徴としてハッシュタグ検索「タグる」が少しずつ流行り初めており、人気のあるハッシュタグを分析し、それらを投稿に取り入れるようにしたことで、フォローしていないユーザーからの流入も増加しました。

店舗・美容部員の取材

元々店舗販売が事業の根幹であったことから、国内に120以上ある店舗の美容部員の声を活用し、スマートフォンからでも店舗の様子やメッセージが伝えようと、美容部員への取材を開始しました。
彼女たちの写真や心温まる接客エピソード、美容テクニックなど、店舗でしか体感できないかった内容を投稿に取り入れることで、さらにエンゲージメントしていただけるようになりました。

イベント速報

最新情報をお届けするメディアとして、プレス向けのイベントや旗艦店舗のオープン時には、現場の雰囲気が伝わるよう、様々なコーナーを撮影し、速報という形で投稿しました。
この種類の投稿は、KPIの最高記録を何度も更新する結果となり、情報の即時性の重要さも改めて認識しました。

<クリエイティブの改善例>

<テキストの改善例>

インスタグラム広告の活用

フィード投稿の改善内容を広告にも展開

普段の投稿ではリーチできないユーザーに対しては、広告も活用していました。
通常投稿でパフォーマンスが高いクリエイティブを使用することで、CPMが改善され、フォロワー獲得にも大きく貢献しました。
フィード投稿のコンテンツを改善していたおかげで、新規フォロワーの離脱が少なかったことも、全体のフォロワー数増加に寄与していました。

新しい広告面やターゲティング機能も積極的に利用

インスタグラムの広告メニューに新しい機能が追加されると、いち早く活用し、効率を改善できたことで、大型のプロモーションを実施する際にも安定したKPIで運用するこができました。

コミュニティ運用

「チームロクシタン」というコミュニティをSNSで形成

上記のアカウント改善策を一年間継続した次の段階として、熱量の高いファンの声(UGC)を拡散し、ロクシタンアカウントのフォロワーのフォロワーに対してリーチしようと考えました。

そこで、「チームロクシタン」というインスタグラムの限定ファンコミュニティを形成し始めました。
メンバーになると、ストーリーズでの限定配信を受けとったり、感想やコメントが公式アカウントで取り上げられる確率が増えます。

また、イベントへの特別ご招待の他、新製品の先行モニターなどへも参加が可能です。その結果、約200人のメンバーに継続的にUGC(User Generated Contents、ユーザーにより生成されたコンテンツ)を投稿していただけるようになりました。

SNS運用で新規顧客獲得し、ビジネスへ貢献

ゲームとプレゼントキャンペーンを通じLine Business Connect (LBC)を獲得

インスタグラムに限らず、SNSでお客様と繋がっていても、実際のビジネスへの貢献度が見えずらい、という課題は企業の担当者なら一度は感じたことがあるのではないでしょうか?

当時Lineのお友達が2000万人を超えており、その中でもLine Business Connect (LBC)をしていただくことで、CRM情報に基づいたターゲティング配信が可能になることから、Lineのお友達とLBCを獲得することが、ビジネスに大きな影響を与えていました。

そういった背景から、大型のプロモーションの際には、スマートフォンで楽しめるゲームを開発し、そのゲームのスコアによって製品が当たるプレゼントキャンペーン実施しました。
お客様にはゲームを楽しみながら、製品やブランドについての理解を深めていただけ、ビジネスに重要なLBCの獲得にも大きく貢献しました。

広告運用の精度を活用し、CPMが低い状態でゲームを拡散

先述の広告運用で培った知見を活用し、このゲームを拡散しました。広告のターゲティング精度やクリエイティブを改善しながら、ゲームに集客することができたので、広告費用が定常時よりも増加していても、CPMを維持したまま拡散することができました。

SNSマーケティングで実店舗への来店施策

広告、クーポンでLine Business Connect (LBC)獲得と来店促進の両方を実現

デジタルの価値を最大化させるべく、これまでのデジタル完結の施策にとどまらず、120以上ある店舗に対してデジタル起点で送客を実施する、という挑戦もいたしました。
Line Business Connect (LBC)していただくことで表示されるクーポンをCRMチームと共同で開発し、それを広告展開することで、全国の店舗にお客様を送客することができました。

今後の取り組み

Social Commerceやデジタル接客

コロナウイルス発生時の影響などからも、従来の店舗接客が継続できないという状況が突然訪れる可能性があることが分かりました。
そのような状況下でも、お客様・従業員ともに少しでも安全に便利にお買い物をしていただくために、インスタグラムを介した接客・販売方法を模索しています。
インスタグラムに決済機能が実装された際には、マーケットプレイスとしての役割も果たせるようにアカウントを育てていきたいと考えています。

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