毎週水曜日にYouTubeにて放映している「カイコクアカデミー」のインタビュー記事第9弾です。
今回は、株式会社ラクスでBtoBサービスの企画やプロモーションをご担当されております岡沼大樹さんのインタビュー記事です。BtoBマーケティングやプロモーションのコツを色々教えてもらいました!
営業職から導入社数7,000社を誇るサービスのマーケティング職への挑戦
ご自身のキャリアについて教えてください。
元々大学生の時に飲食店を起業し、その流れで大手の飲食ポータルサイトに営業職として入社しました。その後、動画広告のベンチャー企業の営業を経て、現在は株式会社ラクスのBtoBサービスのマーケティングをしています。
「営業畑からマーケティング職」という形で異業種への”挑戦”という形になりましたね。
株式会社ラクスとはどんな会社でしょうか。
オフィス支援を中心とした様々なSaaS系のプロダクトを提供している会社です。
例えば「楽楽精算」というプロダクトは、これまで交通費や経費などをExcelや紙で精算していたものを、業務効率化という形でペーパーレスを実現することができるようなプロダクトになっています。現在は7,000社を超える企業にサービスを導入いただいています!
その中での岡沼さんのマーケティングに関する業務内容を教えてください
先程ご紹介させていただいた「楽楽精算」というバックオフィス支援系プロダクトのBtoBマーケティングの企画やプロモーション領域を担当しています。
弊社では”プロモーション”が非常に大きい役割を担っておりまして、割とマーケティングにおいても専門性を必要としている部署なのですが、その中でも私は主にメールマーケティングや、自社のセミナー/カンファレンスの企画や運営を担当しております。
ラクス流のBtoBマーケティングとは
ラクスにおけるBtoB向けのマーケティングはどうされていますか。
例えばBtoBのメルマガ施策だと、どうしてもメールマガジンの配信の目的がCV発生としてKPIが設定されがちだと思うのですが、実は大事なのはそこではないと考えています。
私が大事にしているのは、どちらかというと「意図したページに遷移、誘導させていくといった小さなアクションを積み上げていくこと」で、これによりターゲット層の態度変容を促していく施策こそがメールマーケティングだと考えています。
なので、メールだけで完結しようとせずに、その後の営業のフォローやセミナーなどと組み合わせて効果を最大化できるような施策が重要なのかなと思っています。
メールマーケティングに取り組まれている中で”楽しさ”を感じる時はどのような時でしょうか。
検討度がすでに高いようなホットリードはリスティング広告や展示会を通じて早期に導入いただけると思っているのですが、一般的にBtoBのサービスは検討期間が長くなる傾向があるので、「今は導入を考えていない!」という企業、いわゆる休眠リードをいかに掘り起こして、確度が高い検討フェーズまでナーチャリングできるかということを考えて実施するメールマーケティングやウェビナーは楽しいですね。
メールで企業の検討度合いをあげるノウハウも教えて下さい!
提供するコンテンツ次第と思っています。クライアントが「現状どのような課題を抱えているのか」や「どのフェーズにいるのか」といったことをSFAなどを見ながら、求めている情報を考えて提供することかなと思います。
後は、メールはメディアとの相性が良いので、例えばnoteや自社のオウンドメディアなどのコンテンツがまとまっているところにターゲットを誘導してナーチャリングしていくことも重要かなと思います。メール単体で検討度を上げるのは正直難しいこともあります笑。
弊社ではクライアントのモチベーション毎に7-8つ程グルーピングしています笑。提供する情報や送るメールの内容を変えるようにしています。
検討企業を引き上げるために独自のコンテンツ提供も用意されてますか。
用意してます!特に今はコロナ禍においてウェビナーをされている企業が多いと思いますが、ウェビナーで出た質問を回答集としてホワイトペーパーにするとめちゃくちゃ効果あります笑。
セミナーやカンファレンスもされているとのことですが、具体的にどのような施策に取り組まれていますか。
自社でオウンドメディアを運営しているのですが、特に事業柄”法改正関連”が多い業種ではあるので、最新の法改正関連の情報をキャッチアップしてクライアントの課題解決ができるようなコンテンツを届けることを心がけています。
プロダクトの訴求というよりは、クライアントの役に立つ関連情報の訴求が多いですね。
”地道”に細かいプロセスを検証し続ける
企業にサービスを導入してもらうまでの工夫はどんなことをしていますか。
決裁者の検討フローやアクションを細かく因数分解して、PDCAを”地道”に回していくことですね笑。
BtoBマーケティングならでは、だと思うのですが、「決裁者が誰か分からない」「誰に営業をすることが最適かわからない」といったことがよく挙げられます。
こういった事象に対してメールマーケティングやセミナーを活用して、「メールを○○さんに開封してもらえた」とか「○○さんが今回開催したセミナーに参加した」といった施策を講じた後に発生する細かいリードのアクション情報を把握し、”小さい気付き”を施策にまた落とし込んでいくことが重要だと思います。
BtoBサービスの利用を考えている企業は検討フェーズが長いという傾向に加えて、私たちのようなバックオフィス系のSaaSは、部署独自で導入を進めるというよりは社内全体を対象したアプローチが必要となるので、特に決裁者を見定めることは大事ですね。
最後に岡沼さんのお仕事をマーケティングという言葉を使わずに再定義すると、どのようになりますか。
「プロセスサイエンティスト」と定義させていただきました。
今日はメールマーケティングなどにおける細かい施策もお伝えさせていただいていたのですが、結局、私たちの目的は課題解決と利益を出していくためにメールもセミナーも展示会も手段でしかなくて、その中でどの手段が成果を最大化に寄与できるかを見つけていくところが、マーケターとしての役目かなと思っています。