DXは、メディアやコマーシャルなどでも多く取り上げられ、認知度が高まりました。
企業が取り組むべき喫緊の課題とされるDXですが、そもそもDX自体を理解していない経営者や人事・マーケティング担当者も多いようです。
本記事ではDXとは何かに加え「日本のDXの現状」「DXを進めるうえで必要なこと」や活用できるサービスについてご紹介します。
DXとは
DXとは、英語の「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略語で、デジタル技術を使って、ビジネスや日常生活など、社会全体を良い方向に変革していく取り組みを指します。
単なるデジタル化ではなく、ビジネスの在り方や生活の仕方を根本から変えるためにIT技術を用いる点が、DXの特徴です。
どんなにIT化・デジタル化を進めても、それが良い意味での変革に結び付いていない場合は、DX化できたとはいえません。
DXが見える形で社会に浸透している例として、エンターテインメント業界の取り組みが挙げられます。
音楽や映像を楽しむ場合、これまではCDやDVDなどをレンタルしたり購入したりするのが一般的でしたが、現時点ではストリーミング配信が主流となっています。
ユーザーにとって使いやすいサービスが出てきた背景には、スマートフォンやタブレットの普及が深く関係しています。
デジタル技術が身近な生活に好影響を与えている顕著な例ですが、DX化によって他の分野でも同様のことが成し遂げられるよう期待されています。
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日本のDX化の現状
生活のあらゆる面でデジタル化が進む日本ですが、DXの現状は芳しくありません。
どちらかというと、遅れを取っているといわざるを得ない状況です。
世界的に見て日本はどんな立ち位置にいるかに加え、dx化が進まないとどんな問題に直面する可能性があるか、考えてみましょう。
世界のデジタル競争力ランキング
DX化に関係して、IMD(国際経営開発研究所)では、毎年「デジタル競争力ランキング」を発表しています。
2021年のランキングでは、1位がアメリカ、2位が香港、3位がスウェーデンと、先進国やITを活用して国力を上げてきた国々が上位を占めました。
残念ながら日本は28位という結果で、隣国の韓国は12位、中国は15位という結果から見ても、大きく差をつけられた印象は否めません。
同じくアジアでは、シンガポールが5位にランクインしており、小国であっても国を挙げての取り組みが功を奏していると理解できます
2025年の崖とは
他国と比べてdx化が進まない日本ですが、このままデジタル化が思うようにいかないと、「2025年の崖」問題にぶつかるとされます。
2025年の崖とは、多くの日本企業が使っている旧式の基幹システムをそのまま使い続けると、2025年までに最大12兆円の赤字が出ると予測されていることです。
この点を警告したのは、2018年に経済産業省が提出したレポートでしたが、日本政府もこの点を懸念し、2021年にデジタル国家予算として1.7兆円を計上しています。
国家としてDX推進のために取り分けた予算額に比べ、損失が見込まれる額は最大12兆円と大きい数字です。
スピード感をもってDXを進めていく必要性を感じるに違いありません。
日本のDX推進が遅れている理由
日本でDX化が進まない理由はいくつかありますが、主要なものとして、IT人材の不足、古いシステムを利用し続けていること、企業体質の3つが関係しています。
具体的に見てみましょう。
IT人材の不足
日本でDX化が進まない主な理由の一つが、IT人材の不足です。
ITスキルを持つ人材の不足は、多くの企業が頭を悩ませていますが、それに加えDXが比較的新しい取り組みであることも人材不足に拍車をかけています。
DX化を効率よく進めるには、技術とともに経験がカギになりますが、DX化を主導できる人材は限られ、手探りで行っているか、DX人材の育成から始めなければならないのが現状のようです。
いくら経営者などの上層部がDXを進めたくても、現場を支える適任の技術者が足りないため、スケジュールが後ろ倒しになっている企業は少なくありません。
古いシステムの利用
日本企業のDX化を阻む大きな要因となっているのが、古いシステムを刷新できないことです。
現行のシステムの保守・運用は属人性が高いものが多く、情報システム部全体で取り組む必要があるものも少なくありません。
そのため、新しいシステム導入に必要なリソースが不足することで、ますますDX化が滞る事態が生じています。
また、古いシステムは担当者の退職などでブラックボックス化したり、カスタマイズを重ねた結果、複雑化・肥大化しているケースも見られます。
新システムに移行するにあたって、どこから手を付けたらよいのかわからず、連携が難しいこともDX化の遅れの原因となっています。
変わらない企業体質
日本のDX化を遅らせる要因の3つ目が、企業体質といわれます。
経営者や人事、経理担当者などは、それぞれの分野には詳しくても、IT技術を持ち合わせていない人は少なくありません。
会社の方針を決定できる立場にある人が、ITリテラシーを持っていない場合、未知のものに挑戦するよりも、守りの姿勢を強める傾向があるようです。
デジタル化にはそれなりの予算や人員配置が必要なので、無理に投資する必要はない、これまで通り人件費が安い従業員を使って人海戦術で作業すればよいと考える経営層や管理職は一定程度います。
過去の成功例に囚われてデジタル化を先送りする結果、日本全体のDX化の遅れにつながっています。
海外と比較した日本のDX推進状況
海外に比べて日本のDX化は遅れているといわれますが、実感がない方もいるかもしれません。
こちらでは海外で行われているDX化の具体例を取り上げます。
日本の実情を正しく認識し、会社としてどんなことに取り組めばよいか、考えるきっかけにしていきましょう。
中国の金融インフラ
海外のDX化の代表例として挙げられるのが、中国の金融インフラです。
銀行口座を保有していない国民も多かった中国では、2002年に初めて、中国人民銀行による電子決済ネットワークが設立され、VISAに次ぐ世界2位のクレジットカードブランドを持つに至りました。
これには、中国政府の強い後押しがあったことと、デジタルネイティブ世代だけでなく、高齢者などデジタルに暗いとされる世代も進取の気性を持ち、ネットショッピングなどを手軽に行うようになったことが影響しているようです。
一方、すでに金融インフラを確立していた日本では、金融サービスとテクノロジーを融合させて新たな付加価値を提供するフィンテック企業に、銀行システムへのアクセスを渋るなど、環境整備が進まなかったことがDX化を遅らせる結果になりました。
現時点では、中国はDX先進国として知られており、日本は大きく水をあけられたと言わざるを得ません。
DX推進するために必要なこと
各企業で必要なDXの形は一様ではないため、推進方法も一つに絞ることはできません。
しかし、DXの進め方を押さえておくと、スピーディーに導入しつつ、成功する確率を上げるのに役立ちます。
こちらで、DX推進のために必要なメインとなる3つの点を取り上げます。
経営陣がDXを理解し推進する
経営者は、経営のプロであってITの専門家ではありませんが、DX化の必要性を理解していないとDXの旗振り役になることは難しいでしょう。
まずは、経営者や管理部門が率先してDXについての理解を深めることが大切です。
デジタルの力でビジネスや企業風土に変革をもたらすことをいとわない姿勢は、全社一丸となってDX化に取り組む力になります。
IT人材の育成体制を構築する
DX化の推進には、IT人材が不可欠です。
大企業であってもIT人材不足に悩んでいる現状では、IT人材の育成体制を社内で構築することが求められます。
ITスキルのある人材や、学ぶ意欲がある未経験者を積極的に起用し、並行して社員全員のITリテラシー向上に取り組むとよいでしょう。
社内での人材確保が難しい場合は、アウトソーシングの活用も検討できます。
政府が副業を推奨したことで、優秀な人材が社外に目を向け、他社のDX化を手助けする機会が開かれたといえます。
経理や総務などの管理部門の仕事を外注する動きも活発化しています。
人的リソースが少ない中小企業などでは特に、自社のDX化に集中するために、外部人材の登用を考える必要があるかもしれません。
DX推進の目的を明確にする
DX化の実現には、目的が必要です。
そもそもDXは、目的そのものではなく、目標を達成する手段に過ぎないからです。
まずはDX化の目的を明確にし、そのためにどのデジタルツールを用いるべきかを考えると、最適な答えを導き出せるに違いありません。
デジタル化の目的がはっきりしていれば、必要なところに必要な投資を行えるので、会社の資産を有効活用できます。
また、デジタルツールを使う目的を従業員全員に理解してもらうことも容易になります。
DX推進のサポートなら外部人材の起用も選択肢に
DX推進するにあたり、IT人材の育成や雇用に課題を感じている企業は多いのではないでしょうか?
育成するにしても、DXのためのノウハウや知識を誰も持っていないと進めることは難しいでしょう。
また、採用するにしてもDXを進められる人材は貴重で、簡単に採用できるものではありません。
そのような場合は副業人材を含めた外部人材の起用を選択肢に含めると良いでしょう。
採用スピードが早い
副業人材を起用するメリットは正社員採用に比べ「採用スピードが早い」ということです。
現在では多くの人が副業に取り組んでおり、流動的な人材採用が可能です。
一方、正社員の起用ではどうしても失敗したくない心理が働き、企業・求職者ともに慎重に検討を重ねる傾向があります。
副業であれば挑戦しやすく圧倒的なスピード感を実現することができます。
DXのノウハウを持った優秀な人材が採用しやすい
副業人材は本業を持っており、常に最新の情報、知識・スキルを持っている優秀な人材ばかりです。
本業でDX関連企業に勤めていたり、IT企業でスキルやノウハウを磨いている人も多くDXを進める上で最適な人材も沢山います。
また、優秀な人ほど転職市場に現れることが少なく、現れたとしても大手企業や有名企業に採用されてしまう傾向にあります。
副業であれば「本業と異なる環境・業界で働きたい」という人も多いため、企業の規模に関わらず優秀な人を採用しやすいというメリットもあります。
DX推進できる外部人材の起用ならカイコク
社内にDX推進できる社員がいないために困っている企業は、必要なスキルを持っている外部人材を起用すると良いでしょう。
カイコクでは、DX推進できるマーケティング人材(8,500名以上)が数多く登録しており副業として企業のDXをサポートしています。
本業で活躍している人材を起用することで、DXに役立つノウハウや知識の吸収、ツールの導入・活用を一気に進めることができます。
また、カイコクでは企業の課題解決に最適なメンバーを紹介するために、独自のスキル診断を実施しています。
企業のニーズをくみ取る専門のコンサルタントに相談しながら進めることができるので、効率よくDXを進められることでしょう。
日本企業が抱えるDX化問題を解決するためにできること
日本のDXは、海外から見ると大きく後れを取っています。しかし、まだまだ挽回することは可能です。
まずは、経営陣や管理部門がDXについての理解を深め、DXを進める現場担当者の先頭に立つ姿勢が大事です。
DXには、スキルを持つIT人材が欠かせません。
社内に適当な人材がいない場合は、育成する努力とともに、外部からDXの技術や経験を持つ人を起用することを検討してみましょう。
DX人材の起用をお考えであれば「カイコク」の利用を検討してみましょう。