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SWOT分析から考える戦略設計|3つのステップ

企業がビジネスで成功するための戦略立案方法の1つに、SWOT分析があります。「聞いたことがある」といった方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、SWOT分析の概要やメリット・デメリット、実際の分析における手順をご紹介したいと思います。

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SWOT分析とは

SWOT分析とは、自社の内部環境とそれを取り巻く外部環境を正しく分析し、経営戦略を導き出す分析方法です。
自社の内部環境に当たるのが、Strength(強み)、Weakness(弱み)。
外部環境に当たるのが、Opportunity(機会)、Threat(脅威) になり、これら4つの頭文字をとって、SWOT分析と呼ばれます。

例えば、とあるカフェでSWOT分析を行った場合は以下のようになります。

▼Strength(強み)
・コーヒーが人気
・デザートが人気
・駅前の角地で立地が良い

▼Weakness(弱み)
・フードメニューが不調
・ランチメニューが美味しくないと言われる
・リピーターが少ない

▼Opportunity(機会)
・近くに新しく駅ができ、来客が見込める
・若年層の間でデザートブームが起っている
・大学生のアルバイト募集数が増えてきている

▼Threat(脅威)
・近辺にカフェが増えてきた
・新型ウイルスの影響で営業時間が短縮/休業になった
・消費税が上がった

メリットとデメリット

メリット

SWOT分析のメリットは、自社の状況を客観的に捉えることができる点です。また、内部環境だけでなく外部環境も含めた分析であることから、広い視野をもった戦略立案が可能になるのも大きなメリットと言えるでしょう。

機会(Opportunity)として挙げられる項目が多いのであれば、そこにフォーカスしたマーケティング活動を行うことで実績を得ることができます。また、弱み(Weakness)が分かったのであれば、脅威(Threat)になる点と合わせて改善することも可能でしょう。

SWOT分析において大切なのは、SWOTそれぞれを連動させて考えることです。

例えば、自社の強み(Strength)を生かして、外部の機会(Opportunity)にどう参入することができるか。外部の脅威(Threat)に対して、内部の強み(Strength)でどう乗り切るか。など、全ての要素を掛け合わせて戦略を立案することが可能になります。

デメリット

SWOT分析では、物事を二極化して考えます。

例えば、内部環境である強みと弱み。この2つの分類は、状況によっては強みだったものが弱みになったり、弱みだったものが強みになったりします。しかし、SWOT分析ではそれらも二極化して分類してしまいます。

例えば、「商品単価が低い」という弱みは、別の角度から見ると「ライバル企業よりも安く商品を提供できている」という強みとも言えるでしょう。さらに言うと薄利多売が可能であるため、企業にとっては大きな武器となる可能性もあります。

これらの現象を回避し、SWOT分析の精度を上げるためには強みと弱みに対する定義づけが必要になります。

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SWOT分析3つのステップ

ここでは、自社の状況を正確に認識し、実現可能性の高い戦略を練るためのSWOT分析3つのステップについて解説していきます。

Step1.SWOT分析の主語を明確化させる

企業規模が大きければ大きいほど、商品の種類が多ければ多いほど、SWOT分析の主語を明確化する必要があります。なぜなら、商品ごとによって外部環境は大きく変動するからです。1つの会社が洗濯機を出す時と、ゲーム機を出す時とで、SWOT分析の対象は商品単位でやるべきです。そうすることで、より精度が高く実現性も高い戦略を立案することができるでしょう。

要は、カフェという「お店」の総合的な分析ではなく、コーヒーやフードといった商品「個別」の分析をしましょうということです。

Step2.外部環境を洗い出す

まずは、外部環境である機会(Opportunity)と、脅威(Threat) を洗い出しましょう。

先に内部環境の強み(Strength)と弱み(Weakness)を考えてしまっても、外部環境によっていくらでも変動してしまう可能性があるからです。
この時に大切なのが、外部環境の知識を要するメンバーで話し合うこと。場合によっては専門家の話を聞いたり、新しく市場の調査をする必要があります。
また、自社・顧客・ライバルの三角関係で考察することで、広い視野での分析が可能になります。

例えば、新メニューで「オーガニックにこだわったサラダを出したい」と考えた場合、機会(Opportunity)として「日本人の健康意識の拡大」、脅威(Threat)としてオーガニックにこだわったフードを展開する周辺の飲食店が挙げられますよね。

Step3.内部環境の強みを洗い出す。

次に、外部環境を前提に内部環境である強み(Strength)を洗い出します。

ここでは弱みを考えずに、強みだけにフォーカスして意見を出し合います。「具体的な強みが見つからない」と簡単に諦めず、まずは自社が提供しているものは何かということから考え始めることで自ずと見えてくることでしょう。

前述したように「オーガニックにこだわったサラダを出したい」と考えた場合、
・機会(Opportunity)=「日本人の健康意識の拡大」
・脅威(Threat)=「オーガニックにこだわったフードを展開する周辺の飲食店」
となり、この2つの外部環境から言えることは、市場にニーズはあるが自分のお店周辺の飲食店にお客さんが取られているということ。
この前提で、内部環境の強みを見つけ出すのです。

それでは、「オーガニックにこだわったサラダ」を好んで食べる人はどんな人でしょうか?
仮にそれを「健康意識が高い20代〜40代の女性」だとしましょう。
その女性たちはどうやって「オーガニックにこだわったサラダ」を提供しているお店を探すでしょうか?きっと大半の人は、SNSやウェブでお店を検索し、レビューや口コミをみたりしますよね。

その時に、
・A店:ほとんどが良い口コミ+評価が5.0点
・B店:半分が悪い口コミ+評価が3.3点
・C点:ほとんどが悪い口コミ+評価が1.0点
と検索結果に出た場合、どのお店に行きますか?

自分のお店がA店、周辺のお店がB店・C店だとしたら、口コミの良さと評価の高さは、他のお店にない強みになりますよね。きっと既に「オーガニックにこだわったフード」を出しているB店・C店にも退けを取らない結果になると予想できます。

弱み(Weakness)は戦略にどう絡んでくる?

一般的に、弱みは改善対象だと言われています。したがって、企業を前進させるような戦略立案の際には考えず、企業を後退させないための改善策立案時に用いられるケースが多いです。

もちろん、弱みを出すことは自社をより客観視することに繋がるので、定期的に洗い出す必要があります。洗い出す方法としては、強みと同じで、ライバル企業に備わっていて、自社にないものを考えることから始めると良いでしょう。
端的に言うと、ライバル店の強みが自分のお店の弱みになります。

例えば、B店には有名な料理人がランチメニューを作っている一方、自分のお店であるA店はアルバイトの大学生が作っている場合などがそれに当たります。
しかし、アルバイトを使っている理由として「誰が作っても一定の味を再現できるように料理をマニュアル化し、コストを抑えて他の部分にお金を使っている」といった場合は、見方を変えれば強みでもありますよね。こういったどっちつかずの状態をなくすためには、前述した通り事前に強みと弱みに対する定義づけが必要になります。

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まとめ

自社は一体どんな状況なのか、それを取り巻く環境はどうなっているのか。

それを把握した上で、どのような最適な戦略を立案するのか。
SWOT分析は戦略立案に用いられる基礎的なフレームワークですが、手順を誤ると正確な分析はできません。まずは手順を正確に理解し、メリットとデメリットを把握した上で、分析の主語を明確化させることから始めましょう。

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