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人の心を動かす動画施策における重要な視点

毎週水曜日にYouTubeにて放映している「カイコクアカデミー」のインタビュー記事第16弾です。

今回は、タッチスポット株式会社で代表取締役を務められる金子さんのインタビュー記事です。消費者を動かす動画「インタラクティブ動画」について伺いました!

インタラクティブ動画とは

ご自身のキャリアについて教えてください。

個人的なキャリアとして、大学在学中からにプログラミングと出会い、ウェブ制作の受託開発をやっておりました。その後、自分のプロダクトを作って在学中に挑戦しようと思い、2015年に会社を作ってライブコマースのアプリを開発・提供してました。そこから、ピボットして今はインタラクティブ動画をやっております。

タッチスポット株式会社とはどんな会社でしょうか。

現在インタラクティブ動画を主軸としたマーケティング支援の会社をやっております。

「インタラクティブ動画」ってなじみのある方があまり多くないのかなと思うんですが、動画とウェブをハイブリッドしたようなものになります。動画による理解の促進とウェブにおける情報の取捨選択性を兼ね備えた新しいソリューションになっておりまして、動画上にボタンが置いてあるようなものになります。そのボタンを押してもらうことによって、ウェブのように動画から動画に遷移させるなどができ、ウェブ上でできるすべてのことが動画上で表現できるものになっています。

その技術を活用することによって、会社紹介や学校紹介、D2Cでの販促動画など多くの業界でご活用いただいております。

動画施策において重要な考え方

金子さんの日々の具体的なお仕事の内容について、教えていただけますか?

わたしの業務は、会社をより成長させるために対外との関係構築をすること。例えば、代理店さんと「一緒に販売していきましょう!」というインタラクティブ動画を広げるための仲間をつくる活動をしております。

「インタラクティブ動画」の導入事例について共有いただけますか?

そうですね。バルクオム様の事例が、お客様に好評いただいていてます。

メンズスキンケアを展開されているD2Cのバルクオム様の事例を紹介します。

こちらはまず動画冒頭に「スキンケアを学ぶ肌診断をする」という選択ボタンが出て、ユーザーが積極的に「押したいな」「その先の情報、知りたいな」と、人それぞれに思うボタンが出てくるので、まず最初に離脱が防げます。さらに(ユーザーが)ボタンを押していくと、どんどん動画の続きが見たくなる。そのため結果的に動画を最後まで視聴してくれる。そして最後まで動画を見ると、商品の良さをユーザーが理解しちゃっている、だから買いたくなるというような事例で、最終的にバルクオム様の売上自体が263%増加しました。

いわゆる10年弱前に流行ったQ&A型のメール広告を動画でやったということですよね。

はい!それに結構近いです。昨今だとそれがチャットボットになっていてみたいな話かなと・・・。根本は同じで、より自分ごと化できるようにコミュニケーションを取っていくことで、理解が深まり行動してもらえるってことかなって思います。ちなみに、インタラクティブ動画とチャットボットの併用もできたりします。

ちなみに今お話あったように、チャットボットと組み合わせるとはどういうイメージなんでしょうか。

例えば、インタラクティブ動画を見終わったあとに「これいいな!でもここはもっと知りたいんだよなー」って一人一人違うニーズが出てくることがあると思います。

それっておそらく対面で会話をしたりすると解決できるけど、WEBだと難しい、なので、チャットでやりとりしてパーソナライズされたコミュニケーションがとれるようにする。そのためにインタラクティブ動画の中にチャットボット起動のボタンを用意してより詳しく聞きたい場合はこちらへどうぞという導線を用意してあげて、一人一人のニーズに答えてあげる感じにしてます。。

イメージは、インタラクティブ動画で、ある程度「ヒキ」を作って、共通するニーズを診断コンテンツで訴求、「もっと知りたい」という状況をつくって、よりパーソナライズした情報をチャットボットで飛ばすという感じです。

動画を作るにあたって、何分以上だと離脱するなどプロフェッショナルならではのアドバイスを教えて下さい。

例えば、動画を見ていて広告の動画がでてきたらスキップしちゃいませんか?ほとんどの方がスキップしちゃうので「5秒以内にヒキを作らなきゃいけない」とわたしたちは思っています。

とは言え、動画の中に5秒で自社の魅力を伝えるって無理じゃないですか。なので、わたしたちは5秒でヒキを作る動画技術力が重要かなと思います。そのため、僕たちは、そこが重要だとわかってるので、お客様に受託型でやってたりするんですよね。その上で、今までの動画と違ってインタラクティブ動画は、動画を取捨選択で自分の興味関心に合わせて見せることができるので、動画内のUXをしっかり作り込んであげると従来の動画より効果が出るんじゃないかなと思います。

ではインタラクティブ動画を作るにあたって、どういうところに成果を設定される企業が多いのか教えてください。

成果については、お客様の業界によって変わってくるのですが、例えば採用のコンテンツであれば、最終的に会社のことを知ってもらって行動してもらうことが重要なので「エントリー数」を指標にします。ただ、それまでに会社をどれだけの人に知ってもらったかを知るために「視聴数」「視聴完了率」も追います。それはあくまで、中間指標を取ることで軌道修正を図るためにって感じです。D2Cの場合ですと、ダイレクトにLPに設置した時と設置前のLPを比較して「どれだけコンバージョン率が伸びた」というようなものになるのかなと思います。

なので業界ごとに変わってくる、というのが回答になると思います。

インタラクティブ動画の提案、また自社でやってみるならば、どういう業界・業種の企業にハマりやすいのか教えてください。

そうですね。「あてはまりやすい」という考えよりは、「ウェブと動画のいいとこどり」を一緒にしているようなものなので、逆に「あてはまらない」業界の方が少ないです。

動画による深い理解を与えたいというところはみなさんあるので、そこに対してアクションを起こしたいというニーズがある方であれば、すべてのマーケターさんにあてはまるかな、とわたしたちは考えています。

ちなみに貴社の場合ですと、こういう業界のクライアントが一番多いなどありますか?

そこも多種多様にわたっているんですけど、最近コロナ禍において増えてきたのは「採用」ですね。今インターンであったり、対面で魅力を伝えることが非常に難しくなっているので、そこに対してインタラクティブ動画で魅力を伝えていく、1日体験をインタラクティブ動画でさせる企業様は増えてきています。

また、お問合せが増えてきているのは「D2C」の業界ですね。D2Cも今広告の手法が限られていくなかで、自社の魅力をブランド欠損せずに伝えたい、きれいに伝えたいというニーズに対して、インタラクティブ動画って能動的にお客様が選んでくれているので、「無理やり押し売りしている状態じゃない」ものを作れるんですね。

なので、D2Cの業界のお客様は非常に相談が増えてきているかな、と思います。

インタラクティブ動画の仕組みついて、開発などが必要になるんでしょうか?

仕組みに関しては、動画のプレイヤーの上にHTMLを書いているようなものになります。ですので「何秒でボタンが出てきて、何秒で消える」みたいな技術になります。

開発に関しては、大きく二通りありまして「タッチスポットメーカー」というツールを貸し出ししているので、そちらを使っていただくことで誰でも作ることができます。もう一つは、自社内で受託開発を受けているので、弊社に依頼をしていただくこともできます。

消費者の意識を常に持つ

最後に、金子さんのお仕事をマーケティングという言葉を使わずに再定義すると、どのようになりますか?

「圧倒的消費者」です。

マーケターって聞くと、いかにモノを売って消費者に届けるみたいなことを思われる方が多いと思うんですけど、わたしはそれも正解だと思っています。

ただ今回、わたしのなかで「圧倒的消費者」とお答えさせていただいているのですが、今後マーケティングのなかで新しいテクノロジーやメディアがどんどん出てくると思います。もちろん弊社のインタラクティブ動画もそうですし、AR・VRとどんどんテクノロジーが汎用的になってきていて、マーケティング活用がされていくと思っています。

そのなかで、変わらないものってやっぱり「人」なんですよね。人がどういうときに嬉しく感じて、どういうときに欲しいと思って、どういうときに煩わしいと思っているのかは変わらないと思います。

なので、どんどん新しいものが出てくる昨今だからこそ、「圧倒的消費者」視点を持っていること自体がマーケターとしての役割、マーケターとして求められることで、「マーケター=一般的消費者」視点を一番分かっている人になってくるんじゃないかな、と個人的には思っています。

マーケターは若手時代に「一番その商品を使い倒せ」「なんでもとにかく触ってみろ」と、よく言われますよね。スンッと腹落ちするワードでした。「それでも消費者であれ」ということですね。貴重なお話をありがとうございました!

マーケターという職種を再定義すると…

圧倒的消費者

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