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パラレルキャリアを採用する企業のメリット・デメリットについて

昨今のビジネスシーンでは従業員の「パラレルキャリア」を認める企業が増えています。
時代の流れに即した変化とも言えますが、実際のところパラレルキャリアの採用は企業にとっても多くのメリットが期待できるのです。

ただし当然、パラレルキャリア制度を正しく運用する体制作りが重要になります。
今回はパラレルキャリアを採用するメリット・デメリットや、成功のためのポイントを見ていきましょう。

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パラレルキャリアとは

パラレルキャリアは日本でも著名なオーストリア人経営学者のピーター・ファーディナンド・ドラッカーが提唱した概念であり、「本業以外の仕事や非営利活動」を指す言葉です。

単一の組織に固執するのではなく、本業以外のキャリアによって人生の選択肢を広げることが重要であることを唱えています。

パラレルキャリアはしばしば「副業」と混同されることがありますが、副業は本業以外の「収入を目的とした仕事」を指すものです。
これに対し、パラレルキャリアには収入の有無を問わず本業以外の取り組みが幅広く含意されています。

本業以外のアルバイトもボランティア活動(プロボノ含む)もパラレルキャリアに該当するため、副業はパラレルキャリアの一部と言って良いでしょう。

パラレルキャリアが注目されている背景

日本でもパラレルキャリアが注目されるようになった背景には、「ワークスタイルの多様化」が挙げられます。

日本では戦後から長きにわたって終身雇用制度が採用されてきましたが、昨今では企業の倒産・リストラ・従業員の転職など人材の流動化が激しい状況となりました。
加えて、勤続年数が人事評価の大部分を占める年功序列制度の見直しも進んでいます。

実力があれば適正に評価してもらえる土壌が整いつつあることからも、自分を磨いて市場価値を高めようという人が増えているのです。
また、2020年初頭より本格的に流行が始まった新型コロナウイルスによる経済への影響は大きく、企業側でも就労体制の見直しを余儀なくされたところも多いでしょう。

そういった中で収入の不安定化への対策としても、パラレルキャリアの重要性が広く認知されるようになったきっかけと言えます。

またリモートワークやテレワークによって時間に融通が利きやすい状況になったことも影響していると考えられています。

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パラレルキャリアを採用する企業のメリット

企業がパラレルキャリアの制度導入を検討するにあたって、自社にどのような恩恵が期待できるかを把握しておくことは重要です。

パラレルキャリアの採用には、次のようなメリットが考えられます。

従業員のスキルアップにつながる

パラレルキャリアは従業員が自発的に取り組むものであり、基本的に企業側が干渉することはありません
社外での活動を通して経験を積み重ねていくため、パラレルキャリアは従業員のスキルアップに繋がります。

例え本業とは関係のないパラレルキャリアに取り組んでいたとしても、新しいスキルや考え方が本業に役立つ可能性は十分に考えられるでしょう。
さらにここで重要なのは「企業の人材育成コストがかかっていない」という点です。
本来、企業が従業員を育成するためには時間・労力・金銭的なコストが必要になります。

パラレルキャリア制度を上手に活用できれば従業員が社外でスキルアップしていくため、社内の教育コストの抑制に繋げられる可能性があります。

離職率の低下につながる

社会情勢の変化から副業を含むパラレルキャリアへの関心は高まっています。

現在は終身雇用の崩壊から1つの企業に勤め続ける時代ではなくなってしまいました。
無理に従業員を縛ろうとすると社内満足度の低下に繋がる可能性もあります。

また、企業側がパラレルキャリアを認めると、従業員は自己実現のためにより一層多くのスキルや知識を身に付けようと能動的になる傾向があります。
副業を認める企業ほど採用満足度が高い結果に。マイナビ、「働き方、副業・兼業に関するレポート(2020年)」を発表)

従業員はパラレルキャリアによって社外でやりたいことにチャレンジができる環境が作れます。
そのため「今の会社ではやりたいことができないので辞めよう」ということがなくなるというのも大きなポイントです。

採用で有利になる

厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表したのは2018年のことであり、副業解禁やパラレルキャリア制度を導入している企業は大多数という状況ではありません。

したがって、自社でパラレルキャリアを認めていることを求職者にアピールすれば、採用活動を有利に進められる可能性があります。
ワークスタイル・ライフスタイルの多様化に伴って、労働者は柔軟な生き方を求めていると言えるでしょう。

仕事は人生において多くの時間を費やすものであり、職場選びが人生に与える影響は小さくありません。
パラレルキャリアの導入は、従業員の自己実現を応援しているというメッセージになるのです。

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パラレルキャリアを採用する企業の注意点

労使ともに多くのメリットが期待されている一方で、パラレルキャリアには注意点が存在するというのも事実です。

予期せぬトラブルを招いてしまわぬように、ここでパラレルキャリアの注意点についても理解を深めておきましょう。

本業に身が入らなくなる可能性

パラレルキャリアを認めても従業員には自社でしっかり働いてもらう必要があります。

しかし従業員が副業や社外活動に没頭するあまり、本業に身が入らなくなってしまうという可能性も0ではありません。

従業員当人の自己管理ももちろん大切ですが、企業側でも従業員が働きやすい環境を整えてあげる必要があるでしょう。

人材流出のリスク

従業員がパラレルキャリアによって新しい環境での活動を始めると、本業以外の取り組みに集中したいという理由で退職する人が出てくる可能性もあります。
従業員が将来的な起業や独立のために、パラレルキャリアを活用してノウハウを蓄えたいと考えているケースも少なくないのです。

こうした人材流出を防ぐためには、従業員に「自社で働き続けることのメリット」を実感してもらえるようにしましょう。
例えば福利厚生を充実させる、資格取得をサポートする、休暇制度を整えるといった取り組みが一例として挙げられます。

情報漏洩のリスク

パラレルキャリアを認める場合、従業員が自社の社内情報を外部に漏洩しないよう細心の注意を払う必要があります。
特に開発中の商品情報や顧客情報を取り扱う部門で働く従業員のパラレルキャリアは要注意です。

また、こうした機密情報に限らず社内での業務ノウハウについても口外を強く禁止しておく必要があるでしょう。
従業員1人1人のコンプライアンス意識を高める社員教育がカギを握っています。

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パラレルキャリアの採用で起きる注意点への対策

パラレルキャリアにおける企業側の注意点は、適切な対策を講じればある程度予防することが可能です。

制度を適切に運用していくために、以下のような点に注力して社内体制を整えておきましょう。

パラレルキャリアに対応したルールの設定

情報漏洩や本業のパフォーマンス低下を防ぎ、労使がともに安心してパラレルキャリア制度を活用するためにはまず明確なルールを策定しておくことが重要です。

パラレルワークに費やす時間や内容をどの程度まで許容するのか、報酬が発生する場合の扱いはどうするのかといった点を労使で共有しておきましょう。

既存の社内規則と照らし合わせながら整合性をとっていく必要もあるので、経営層とのすり合わせも必要になる場合が多いです。

一方的に管理者側でルールを策定するよりも、従業員の意見を取り入れながら決めていくと良いでしょう。

社内でのコミュニケーション

パラレルキャリアの効果を最大化させるためには、従業員と管理者の良好なコミュニケーションが大切です。
例えばパラレルキャリアに取り組んでいる従業員は時間にゆとりが持てず、周囲とのコミュニケーションが不十分になることがあります。

自己実現のためのパラレルキャリアが職場の居心地を損なってしまっては本末転倒です。
離職を防ぐためには管理者が職場によく目を配り、従業員が孤立しないよう積極的にコミュニケーションを取っていく必要があります。

パラレルキャリアで培ったノウハウを自社の業務に活かしてもらうためにも、労使間でパラレルキャリアについてコミュニケーションを取るのは重要なポイントです。

必要であれば個々に面談の場を設けてみてください。

経験を活かせるキャリアの提供

従業員満足度を向上させるには、パラレルキャリアによって培ったノウハウを活かす場を社内で提供するのが効果的です。

例えばパラレルキャリアの内容に関連する新しい業務を担当してもらったり、今後のキャリアプランを提案してみたりといった取り組みが挙げられます。

従業員からしても自分の努力が本業に還元されることによってモチベーションアップに繋がるため、本業とパラレルキャリアで良好なサイクルが構築されるのです。

従業員の知識やスキルをうまく活用できるような仕組みを考えることが大切です。

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パラレルキャリアでwin-winの関係を作り上げよう

労働者不足や人材流動化に伴って、企業では優秀な人材を確保することが大きな課題となっています。

しかし、従業員を無理して自社に留めていたのでは仕事へのモチベーションが上がらず、従業員の満足度を上げることは出来ません。

従業員のスキルアップや自己実現をサポートしつつ、社内の活性化を促すにはパラレルキャリアの導入が有効に機能する可能性もあります。

ルールの明文化や労使間でのコミュニケーションなど、社内体制を整えた上で制度を運用してみてください。

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