リスティング広告では検索エンジンの検索結果にユーザーが検索したキーワード(検索語句)に連動して掲載されます。そのため商品やサービスに対してモチベーションが顕在化したユーザーへのアプローチとして非常に有効です。そのなかでも、BtoBサービスではGoogleやYahoo!の機能特性を生かした運用だけではなく、業界や商品特性を鑑みた運用ポイントが必要になります。本稿では特に大切なポイントをご紹介します。
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リスティング広告の基礎知識
✔️リスティング広告とは検索結果ページや関連あるウェブサイトに表示される広告 ✔️リスティング広告はクリック課金型広告(PPC) ✔️リスティング広告はターゲット層を絞り効率的なアプローチができる
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果ページや関連するウェブサイトに表示される広告の一種です。検索ユーザーが入力したキーワードに基づき、広告が表示される仕組みで、広告主はクリックされた分だけ料金を支払います。この広告形態は「クリック課金型広告(PPC)」とも呼ばれ、高い効果を期待できる手法として多くの企業で採用されています。
リスティング広告の大きな特長は、ターゲット層を明確に絞り込める点です。例えば、特定のキーワードに興味を持つユーザーや、地理的な条件を満たすユーザーに広告を届けることが可能です。また、広告の内容や設定を柔軟に変更できるため、短期間で集客や認知度向上を図りたい場合に適しています。
BtoB企業でも、リスティング広告の特長を活かし、特定のターゲット層に向けた効率的なアプローチを行うことで、潜在顧客との接点を増やすことが可能です 。
BtoBリスティング広告の特徴
BtoBリスティング広告は、企業間取引(BtoB)に特化した広告手法であり、一般的なリスティング広告とは異なる独自の特徴を持っています。その特性を理解することで、より効果的な運用が可能になります。以下に、具体的な特徴を分けて解説します。
長期的なリードナーチャリングが必要
BtoBの商談プロセスは、BtoCに比べて時間がかかることが一般的です。一つの契約に至るまで、複数の担当者との交渉や内部決済プロセスを経るため、即効性よりも長期的な顧客育成が重要です。
まず、リスティング広告を通じて資料請求やウェビナー登録といった初期アクションを促し、その後のフォローアップで商談につなげることが基本的な流れです。そのため、リスティング広告の運用では、長期間にわたりリードを育成する視点が欠かせません。
資料請求やお問い合わせの獲得が目的
BtoC広告では購入や契約といった直接的なコンバージョンが主な目標ですが、BtoBリスティング広告では「資料請求」「お問い合わせ」「ウェビナー参加登録」など、初期段階のアクションを獲得することが目的となることが多いです。
これにより、ターゲットの興味・関心を引き出し、後の営業活動につなげることができます。このような初期アクションを重視するため、広告文やランディングページも「問題解決」を押し出した内容にすることが求められるでしょう。
時間を制限し広告費を削減
BtoB広告のターゲット層は、平日の日中にデスクワークをしているビジネスパーソンが多いため、広告に触れる時間帯やデバイスに特徴があります 。加えて、スマートフォンのみで重要な意思決定を行うケースは少ないため、PCを利用する場面が多いことも特徴でしょう。
これらのデータを基に、広告配信を平日の特定時間帯やPCユーザーに限定することで、不要な広告表示を減らし、効率的に広告費を削減できます。BtoB広告特有の傾向を理解し、適切な配信設定を行うといいでしょう。
業界特有のキーワード選定が重要
BtoBリスティング広告では、ターゲットとなるのは一般消費者ではなく、特定の業界や職種に属するビジネスユーザーです。そのため、広告に使用するキーワード選定が非常に重要です。
一般的な検索ワードではなく、業界特有の専門用語や、ターゲットが抱える課題解決に直結するフレーズを採用する必要があり、IT業界向けのサービスであれば「クラウドセキュリティ」「データ連携ソリューション」といった具体的なキーワードが効果的でしょう。
企業がリスティング広告を運用する5つのメリット
1.ターゲット層への的確なアプローチが可能
リスティング広告の最大の魅力は、ターゲットを細かく絞り込める点です。特定のキーワードに基づいて広告が表示されるため、関心を持つユーザーだけにリーチできます。また、地域やデバイス、時間帯といった条件を設定することで、さらに精度の高いアプローチが可能です。BtoB企業の場合、業種や役職、興味関心に基づいたターゲティングが実現し、商談や成約の可能性が高まります。
2. 即効性のある集客が期待できる
リスティング広告は、設定後すぐに広告が表示されるため、短期間で結果を出したい場合に適しています。例えば、新しいサービスをローンチした際に、短期間で認知を広げたい場合に効果的。SEOのように時間をかけて結果を待つ必要がなく、スピーディーな集客を実現できます。
3. 広告費の柔軟なコントロールが可能
リスティング広告は、広告予算を柔軟に設定できる点もメリットです。広告費はクリックごとに課金されるため、必要に応じて出稿量の調整が可能。これにより、予算を超えた支出を抑えつつ、効率的な広告運用が行えます。特に、BtoB企業では、商談単価が高いことが多いため、費用対効果を考慮した柔軟な運用が重要です。
4. データを活用した効果的な運用ができる
リスティング広告は、クリック率やコンバージョン率などのデータをリアルタイムで把握し、効果的な施策を講じることが可能です。データを踏まえて、広告文やキーワードの変更、ターゲット設定の見直しを行うことで、成果を最大化することができるでしょう。また、BtoBでは長期的な分析が、次のステップにつながる重要な要素となります。
5.競合との差別化を図りやすい
BtoB市場では、競合が多い場合でも、適切な広告戦略で差別化を図ることが可能です。特に、専門性や独自性をアピールする広告文を作成することで、他社と異なる魅力を伝えられます。また、競合の広告を分析し、キーワードやターゲット層の設定を工夫することで、より高い成果を狙うことができるでしょう。
BtoBリスティング広告運用で大事なポイントとは?
BtoBマーケティングにおいてWeb広告では、プッシュ型で様々なターゲティングを用いてリーチを拡大できるディスプレイ広告を広げていきつつ、リスティング広告では「比較検討層へのリーチ」「商品・サービス検索ユーザーへの最適な導線設計」の役割が重要となります。では、実際にリスティング広告の運用で大切なポイントを見ていきましょう。
【1】キーワードの設計
・自社名、サービス名、商材名称を中心に掛け合わせワードを設計する ・マッチタイプを広げて検索クエリを発掘しやすくする
ユーザーが検索したキーワードに連動して表示するリスティング広告では、検索されるキーワードを想定して設計することが重要です。同時にBtoBではBtoCのユーザーとの重複を避けることが重要なポイントになります。
そのため「自社名、サービス名、商材名称」を中心にキーワードを設計。掛け合わせワードをしっかり担保することで、自社について検索しているユーザーへのリーチを担保しつつ、ユーザーの検索ニーズをキャッチできるように設計することが可能です。
【2】広告文
・「対象ターゲット」「サービスのベネフィット」「サイト上でのゴール」を明示する
検索結果画面では前述の通りBtoCの検索とも重複する可能性があります。そのため、「法人向け」といったようなターゲットを明記することで、見込みの高いユーザーに限定することができます。
また、BtoBでは検索結果画面での競合性が高い(=多くの競合他社と同時に表示される)ため自社の強みをタイトル部分に盛り込むことが大切です。
さらに、サイトに集客し、ユーザーにどんな行動をしてほしいか(=資料問い合わせ、お見積り)を明示することで目的意識を向上させましょう。
【3】計測の設計
・「マイクロコンバージョン」を設定する ・「Googleアナリティクス等の計測ツール」と連携する ・各KPIの転換率から最適な広告のCPAを設定する
BtoBのデジタルマーケティングでは「CV数が足りなくて分析するための母数が、、最適化が、、」といった部分で検証が進まないことが多々あります。こうした場合、コンバージョン地点の手前の行動(例:申込ボタンのクリックや特定のページへの訪問)をマイクロコンバージョンとして計測することで、データを活用した分析や改善を進めることができます。これにより、検証を進めつつコンバージョンを伸ばしていくことができます。
さらに、Googleアナリティクスや各種ツールと広告経由の流入データを連携することも重要です。各チャネルからの流入が、Web上でのリードから最終的な成果までの転換率を算出することで、「リード獲得におけるWeb広告での最適なCPA目標」をアップデートし続けることができ、成果の最大化に繋がります。
【4】配信設定
・営業展開しているエリアに配信を限定する ・曜日/時間帯は対応できる時間帯に設定する
全国エリア展開しているサービスでない場合は、自社のサービスが展開可能なエリアに配信先を限定することがおすすめです。また、電話や問い合わせ対応については、曜日や時間帯でも配信の強弱をつけて運用することを推奨します。
【5】日々の運用調整
・デバイス別での傾向が顕著なので入札比率を設定する ・検索クエリからユーザーニーズを分析する
BtoBでは自社サービスによってデバイス別での傾向差が大きくでます。多くのサービスではPCにて獲得率が高い傾向があるため、入札単価の比率調整で強弱をつけていきます。また、ユーザーの検索クエリから自社サービスに対してどのようなニーズや課題を感じているか? を分析することで、広告文やランディングページの設計やサービスの改善に活かしていきましょう。
BtoBリスティング広告の運用方法
BtoBリスティング広告を効果的に運用するためには、自社の事業特性やフェーズ、リソースに合わせた運用体制の選択が欠かせません。以下では、主な運用方法とそれぞれの特徴について詳しく解説します。
インハウス化で自社運用を目指す
インハウス化とは、広告運用を自社内で行う方法を指します。自社で運用する最大のメリットは、自社の製品やサービス、そしてターゲット市場についての深い理解を活かせる点です。さらに、運用ノウハウが社内に蓄積することで、スピード感のある対応が可能になり、代理店手数料を削減できるという利点もあります。
ただし、広告運用には専門知識と十分なリソースが必要です。人材育成や専任担当者の配置が難しい場合は、インハウス化が逆に負担になることもあります。
メリット: コスト削減、運用スピードの向上 デメリット: 専門知識を持つ人材や十分なリソースが必要
広告代理店運用でプロに依頼
短期間で成果を出したい場合や、広告予算が大きい場合には、広告代理店に運用を依頼するのが有効です。専門の知識やノウハウを持つ担当者が運用を代行するため、教育コストを抑えながら効率的に広告を進めることができます。また、運用業務をアウトソースすることで、本来の業務に集中できるというメリットもあります。
一方で、代理店に依頼する場合は手数料が発生します。手数料は広告費の約20%となるケースが一般的ですが、予算により変動します。広告費が高額な場合は低くなる場合もありますが、少額の場合は固定費が追加されることもあるため、事前に詳細な見積もりを確認することが重要です。
メリット: 知識がなくても本格的な運用が可能、運用業務の負担軽減 デメリット: 手数料が発生し、社内連携に時間がかかる場合がある
伴走型コンサルティングで運用をサポート
インハウス化を目指す場合や、既存の運用体制を強化したい場合には、伴走型のコンサルティングを活用する方法が有効です。コンサルティングでは、広告戦略の構築から運用実務のサポート、効果測定まで幅広い支援を受けられます。
伴走型コンサルティングのメリットは、経験豊富な専門家が必要な手順をサポートしてくれるため、スムーズにはじめられる点です。また、運用時に発生するミスを迅速に修正できる体制を構築できるため、リスクを最小限に抑えることも可能。
費用は一般的に月額20万円〜が目安となり、サポートの範囲により変動します。契約前に具体的なサポート内容を確認し、自社のニーズに合ったコンサルティング会社を選ぶことが大切です。
メリット: インハウス化を支援、ミスを防止する仕組みを構築 デメリット: コストが発生し、支援内容によって費用が変動
【BtoB向け】リスティング広告運用ならBLAMがおすすめ!
出典:https://blam.co.jp/
『株式会社BLAM』は、最先端の手法を駆使して運用型広告をはじめ、Web広告やWebサイトの制作、CRMの提供など、幅広くマーケティング支援を行っています。また、リスティング広告やSNS・ディスプレイ広告にも強みを持ち、きめ細やかで課題に寄り添ったサポートも魅力です。
【 株式会社BLAM 】
さらにBLAMでは、10,000万名以上の経験・実績豊富なデザイナーやマーケターが登録する 「カイコク(KAIKOKU) 」というプラットフォームを保有している点も特徴。ハーフコミット型のプロの人材を、企業のニーズやタイミングに合わせてアサインすることができ、費用対効果の高いサポートに期待できます。
上場・中小企業、地方自治体、プロスポーツチームといったさまざまな企業や団体の支援実績も豊富であるため、プロジェクト編成や組織体制に応じた柔軟なサポートを受けられる点もBLAMの大きな魅力といえるでしょう。
【 カイコク 】
会社名 株式会社BLAM [ブラム] ホームページ https://blam.co.jp/ 所在地 東京都品川区西五反田7丁目7−7SGスクエア8F 事業内容 ■ クラウド型マーケティングDX支援サービス ■ マーケティングDX事業 ■ 研修・人材紹介事業
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いかがでしたでしょうか。
Web広告媒体の特性を最大限に生かすことと、業界や商品特性を鑑みた運用をしていくことでリードの獲得だけでなくマーケティング全体への活用をしていくことで皆さんのデジタルマーケティングの一助になれば幸いです。